営業リスト 不動産営業
公開日:2026/07/25 更新日:2026/07/25

不動産営業リストの作り方|営業先が見つからないときの探し方と活用方法

営業先が見つからないときに、不動産データや登記情報を使って見込み客を探し、営業仮説を持てるリストへ整理する方法を解説します。

地図・登記情報・Excelを使って不動産営業リストを作るイメージ
不動産営業リストは、単なる名簿ではなく営業先を見極めるための入口です

営業先が見つからないという悩みは珍しくない

不動産会社や金融機関で営業活動をしていると、「誰に営業すればよいのか分からない」という悩みにぶつかることがあります。

紹介案件が減った、既存顧客への提案が一巡した、上司から新規開拓を求められている、エリアを任されたもののどこから手をつければよいか分からない。このような状況は、決して珍しいものではありません。

営業というと、話し方や提案資料、クロージングの技術に注目が集まりがちです。もちろんそれらも重要ですが、実際の現場で最初に壁になるのは、多くの場合「誰に提案するか」です。

どれだけ良い提案内容を用意しても、相手にニーズがなければ商談にはつながりません。反対に、課題や可能性を持っている相手に提案できれば、営業の難易度は大きく下がります。

不動産営業リストの作成とは、単なる名簿作りではなく、誰に営業するべきかを見極めるための営業活動の入口です。

営業先が見つからず悩む担当者と、候補地を探す地図画面
営業の最初の壁は、話し方よりも「誰に提案するか」であることが少なくありません

不動産営業リストは単なる住所録ではない

営業リストという言葉を聞くと、会社名、住所、電話番号、担当者名などが並んだ一覧表をイメージするかもしれません。しかし、不動産営業におけるリストは、単なる連絡先一覧では不十分です。

不動産営業で重要なのは、その相手にどのような提案余地があるのかを考えられることです。

同じ土地所有者でも、広い駐車場を所有している人と、住宅一棟だけを所有している人では、提案できる内容が変わります。築古アパートであれば建替え、修繕、借換え、売却、相続対策、空き地であれば土地活用、売却、駐車場経営、事業用地活用などの提案が考えられます。

法人名義の不動産であれば、事業資金、担保融資、借換え、資産整理などの金融ニーズにつながることもあります。

営業リストに必要なのは名前と住所だけではありません。土地の状況、所有者、用途地域、建物の有無、融資情報、周辺環境などを見ながら、「この相手にはどのような提案ができるか」を考えられる情報です。

営業リストは訪問先を並べるための表ではなく、商談の仮説を作るための材料です。

成果が出ない営業リストの共通点

  • 件数だけを重視している:1,000件あっても見込み客が少なければ、営業効率は上がりません。
  • 営業目的と項目が合っていない:土地活用なのに面積や用途地域がない、借換えなのに抵当権情報がないといった状態です。
  • 情報が古い:売買、相続、法人移転などで所有者が変わっている可能性があります。
  • 提案仮説がない:連絡先だけでは、なぜその相手へ営業するのか説明できません。

営業リストは「量」だけでなく、「目的との一致」と「情報の鮮度」が重要です。

まずは「何を売るか」ではなく「誰を探すか」を決める

不動産営業リストを作る前に、最初に決めるべきことがあります。それは、「何を売るか」だけではなく、「誰を探すか」です。

土地活用、アパート建築、融資、借換え、売却相談など、営業目的を明確にすることは大切です。しかし、その目的に対して「どのような相手なら提案が成立しやすいか」を考えなければ、営業リストは作れません。

営業目的探したい相手の例
土地活用広い土地、駐車場、空き地、低利用地の所有者
アパート建築地主、築古アパート所有者、遊休地所有者、相続後の所有者
借換え提案他行融資を利用している可能性がある所有者、古い抵当権がある物件
融資先開拓大規模地主、法人所有不動産、賃貸物件オーナー、担保余力が見込める所有者

営業リスト作成とは、情報を集める作業ではなく、自社が提案したい内容と、相手が抱えている可能性のある課題を結びつける作業です。

昔の営業リスト作成は膨大な手間が必要だった

  1. 住宅地図や現地確認で候補地を探す
  2. 住所から地番を調べる
  3. 公図を取得して位置関係を確認する
  4. 登記簿謄本を取得して所有者や権利関係を確認する
  5. 取得した情報をExcelへ入力する

地主営業や融資先開拓では、数十件、数百件、場合によっては数千件の候補を調査することがあります。この規模になると、人力で一件ずつ調査するのは大きな負担です。

営業担当者が本来やるべきことは、顧客と会い、課題を聞き、提案を行うことです。リスト作成に時間を取られすぎると、営業担当者が調査担当のようになってしまいます。

地図・公図・登記簿・Excelを順番に確認する従来の調査フロー
従来型の調査は、候補地探しからExcel入力まで多くの工程が必要でした

成果を出す会社は「土地から逆算」している

不動産営業で成果を出している会社は、やみくもに人を探しているわけではありません。多くの場合、「土地」から逆算して営業先を探しています。

地図上で大きな駐車場、広い空き地、築年数の古そうなアパート、家屋が少ない大きな土地などを見つけ、用途地域や周辺環境を確認します。そのうえで所有者情報や融資情報を調べ、営業対象として優先順位をつけます。

この方法の強みは、最初から提案の仮説を持てることです。広い駐車場なら土地活用、築古アパートなら修繕や建替え、空き地なら売却や活用、法人所有不動産なら事業資金や担保融資など、土地の状態から提案の方向性を考えられます。

不動産営業では、土地そのものが営業のきっかけになります。

地主営業で使える営業リストの作り方

地主営業では、土地を多く所有している人や、活用余地のある土地を持っている人を見つけることが重要です。

所有者名だけでなく、土地の利用状況、面積、用途地域、道路付け、周辺環境、個人所有か法人所有かといった情報を確認することで、提案の方向性が変わります。

駅に近い広い駐車場なら賃貸住宅や店舗、住宅地の空き地なら戸建分譲やアパート、築古アパートなら建替えや修繕、借換えなどの提案可能性があります。

複数の土地を所有している人は、資産管理や相続対策のニーズを持っている可能性もあります。

地図上で駐車場・空き地・築古アパートを抽出する地主営業リスト
地主営業では、所有者情報と土地の状態をセットで確認することが重要です

金融機関の融資先開拓で使える営業リストの作り方

金融機関の融資先開拓でも、不動産営業リストは有効です。金融機関が探すべきなのは、単に資産を持っている人ではなく、資金需要が発生する可能性がある人です。

賃貸物件オーナーには借換え、大規模修繕、追加取得、建替え、大規模地主には土地活用や相続対策、法人所有不動産には事業資金、設備投資、不動産担保融資などの提案余地があります。

登記情報から抵当権や根抵当権を確認すれば、他行で融資を利用している可能性や、担保設定時期を把握できます。現在の借入残高までは分かりませんが、営業仮説を立てる材料になります。

金融機関にとって営業リストは、訪問先一覧ではなく、融資可能性を見つけるための分析資料です。

不動産営業リストに入れるべき情報

営業リストに必要なのは、電話番号だけではありません。「なぜこの相手に営業するのか」を説明できる情報です。

用途確認したい情報
地主営業所有者名、所在地、地番、土地面積、用途地域、建物の有無、利用状況、周辺環境
土地活用面積、用途地域、駅距離、道路付け、賃貸需要、既存建物の状況
融資先開拓所有者、法人・個人の別、抵当権、根抵当権、担保設定時期、不動産種別

営業会議で「この土地は広いため土地活用の余地がある」「この物件は築古なので修繕や借換えの可能性がある」「この法人は不動産を所有しているため担保融資の候補になる」と説明できる状態が理想です。

所有者・土地・建物・融資情報をまとめた営業リスト画面
営業理由を説明できる情報を持つことで、チームで共通認識を作りやすくなります

営業リスト作成でよくある失敗

  • 件数だけを追う:見込みの薄いリストを大量に作っても成果にはつながりにくくなります。
  • 所有者情報だけで判断する:面積、用途地域、建物、利用状況、周辺環境も必要です。
  • 調査に時間をかけすぎる:営業担当者が訪問や提案に使う時間を失います。
  • 作って終わりにする:営業後の反応を記録し、継続的に更新する必要があります。

営業リストは一度作ったら終わりではなく、営業活動の中で育てていくものです。

PDFや登記情報の手入力にも注意が必要

不動産営業リストを作る際には、登記簿謄本や各種資料から情報を転記する作業が発生します。このとき注意したいのが、手入力によるミスです。

所有者名、所在地、地番、家屋番号、抵当権者、受付年月日などは、営業判断に関わる重要な情報です。一文字の入力ミスや転記漏れだけでも、営業リストの精度が下がります。

大量のPDF資料をExcelへ入力する作業は時間もかかります。数十件、数百件を扱う場合は、Excel化や一覧化の方法を見直すことも重要です。

トーラスでは、不動産謄本PDFのデータ化サービスを無料で提供しており、1回100件までのPDFをExcel化できます。

登記簿PDFから所有者・地番・抵当権情報をExcel化するイメージ
大量の登記情報は、手入力だけに頼らずデータ化の方法を見直すことが重要です<

不動産チェッカーを活用した営業リスト作成

不動産チェッカーでは、地図上から不動産情報を確認しながら、営業リスト作成に必要な情報を効率的に把握できます。

営業エリア内の土地を地図上で確認し、面積、家屋数、用途地域、登記情報、融資情報などを組み合わせて見ることができます。

地主営業では大きな土地、空き地、駐車場、低利用地、土地活用では用途地域や周辺環境、金融機関では融資情報や担保設定の状況を参考に候補を絞り込めます。

従来のように、一件ずつ地番を調べ、公図や登記簿を確認し、Excelへ転記する作業を減らすことで、営業先の選定や仮説作りを効率化できます。

営業リスト作成で重要なのは、単に件数を増やすことではなく、提案につながる相手を見つけることです。

不動産チェッカーの地図上で営業候補を絞り込むイメージ
地図・登記・融資情報を組み合わせることで、営業候補を探しやすくなります

不動産営業リストを作った後にやるべきこと

  1. 見込み度を分ける:すぐ訪問する先、資料送付から始める先、継続調査する先に分けます。
  2. 提案内容を変える:地主、築古アパート、法人、空き地など、相手の状況に応じて提案を変えます。
  3. 営業後に情報を更新する:反応、断られた理由、所有者の意向、将来の見込みを記録します。

営業結果を蓄積することで、リストは単なる一覧表から会社の営業資産へ変わります。

まとめ

不動産営業リストの作成は、単なる名簿作りではありません。地主営業、土地活用、融資先開拓、借換え提案などを行うために、見込み客を見つけ、営業仮説を立てる作業です。

成果につながる営業リストを作るには、まず「誰を探すか」を明確にします。そのうえで、土地の面積、用途地域、建物の有無、所有者情報、融資情報、周辺環境などを確認し、提案につながる相手を絞り込みます。

従来のように住宅地図や登記簿を一件ずつ確認し、手作業でExcelへ入力する方法には限界があります。地図情報や登記情報を活用し、営業先の選定を効率化することが重要です。

不動産チェッカーで候補を絞り込み、大量のPDF資料は無料PDF変換サービスや謄本取得スポットでデータ化することで、顧客との対話や提案活動へ時間を使いやすくなります。

よくある質問

Q. 不動産営業リストは自社で作れますか?

自社で作成できます。ただし、件数が多くなるほど調査や入力の負担が大きくなるため、地図情報や登記情報を使って候補を絞る仕組みが重要です。

Q. 地主営業ではどのような情報を見るべきですか?

土地面積、用途地域、建物の有無、利用状況、所有者情報などが重要です。その土地にどのような提案余地があるかを確認します。

Q. 金融機関の融資先開拓にも使えますか?

使えます。大規模地主、アパートオーナー、法人所有不動産、担保余力が見込める不動産などを把握し、融資先開拓や借換え提案へ活用できます。

Q. 登記簿謄本のPDFをExcelにする意味はありますか?

大量の登記情報を扱う場合、Excelなどで一覧化すると比較や絞り込みがしやすくなります。手入力によるミスや作業時間を減らすうえでも有効です。

ご注意ください

本記事は一般的な情報提供を目的としています。営業活動や登記情報の利用については、個人情報保護法、各種法令、業界ルールを遵守して行ってください。

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