用語集 都市計画
公開日:2026/08/11 更新日:2026/08/12

都市計画図の調べ方——用途地域13種類の一覧から営業・査定での活用まで実務で使える完全ガイド

都市計画図は、用途地域・建ぺい率・容積率・防火規制・都市計画道路など、土地にかかる法令上の制限を確認する基礎資料です。用途地域13種類の特徴、調べ方、窓口確認が必要なケース、不動産営業・査定での活用まで整理します。

都市計画図と用途地域図を確認しながら土地の建築制限を調査するイメージ
都市計画図は、用途地域・建ぺい率・容積率・防火規制などを確認する不動産調査の基礎資料です

都市計画図とは、用途地域、建ぺい率、容積率、防火規制、都市計画道路などの法令上の制限を地図上に示した行政資料です。

不動産調査では、 登記簿謄本 と並ぶ基礎資料であり、「何が建てられるか」「どのような制限があるか」を判断する出発点になります。

Webの都市計画情報提供システムで一次確認はできますが、用途地域の境界、地区計画、都市計画道路などは窓口確認が必要です。

この記事でわかること

  • 都市計画図の役割と読み取れる情報
  • 用途地域13種類の特徴と建築制限
  • 防火地域・準防火地域、都市計画道路の注意点
  • Webと行政窓口を使った調べ方
  • 土地活用・営業・査定での活用方法

都市計画図とは

都市計画図は、都市計画法に基づく各種の規制・計画を地図上に示した行政資料です。自治体によって「都市計画情報図」「用途地域図」など名称は異なります。

不動産取引では、土地にかかる法的制限を把握し、建築可能な用途・規模を判断するために確認します。

重要事項説明書 の「法令上の制限」に関する調査でも重要な確認資料です。

都市計画図から読み取れる主な情報

情報 内容 営業・査定への影響
区域区分 市街化区域・市街化調整区域・非線引き区域 建築可否や開発許可に影響
用途地域 13種類。色分けと数値で表示 建物用途・規模を左右
建ぺい率・容積率 建築面積・延床面積の上限 建築ボリュームに直結
防火規制 防火地域・準防火地域 構造制限・建築費に影響
高度地区 建物高さの制限 階数に影響
日影規制 日照への制限 中高層計画に影響
地区計画 壁面後退・用途制限等 用途地域に追加制限
都市計画道路 計画線・事業化状況 建築制限・収用可能性
風致地区 景観保全のための制限 高さ・建ぺい率等に追加制限

用途地域13種類の一覧

用途地域は、住居系8種類・商業系2種類・工業系3種類の計13種類です。

住居系(8種類)

用途地域 建ぺい率の目安 容積率の目安 主な特徴
第一種低層住居専用地域 30〜60% 50〜200% 低層住宅中心。高さ10mまたは12m制限
第二種低層住居専用地域 30〜60% 50〜200% 低層住宅中心。小規模店舗も可
第一種中高層住居専用地域 30〜60% 100〜300% 中高層住宅向け
第二種中高層住居専用地域 30〜60% 100〜300% 店舗・事務所も一部可
第一種住居地域 60% 200〜400% 住居中心。店舗等も可
第二種住居地域 60% 200〜400% 遊戯施設等も一部可
準住居地域 60% 200〜400% 幹線道路沿い。自動車関連施設等にも対応
田園住居地域 30〜60% 50〜200% 農業と調和した低層住居地域

商業系(2種類)

用途地域 建ぺい率の目安 容積率の目安 主な特徴
近隣商業地域 60〜80% 200〜400% 生活利便施設中心。住宅も可
商業地域 80% 200〜1300% 商業集積地。高容積率の建築が可能

工業系(3種類)

用途地域 建ぺい率の目安 容積率の目安 主な特徴
準工業地域 60% 200〜400% 軽工場中心。住宅・店舗等も可
工業地域 50〜60% 200〜400% 工場中心。住宅可、学校・病院等不可
工業専用地域 30〜60% 200〜400% 住宅を建てられない唯一の用途地域
住居系・商業系・工業系に分かれた用途地域13種類を都市計画図上で比較するイメージ
用途地域は13種類あり、建築できる用途・建ぺい率・容積率が地域ごとに異なります

防火地域・準防火地域の建築制限

都市計画図では、防火地域・準防火地域の指定も確認できます。指定の有無は建物構造と建築コストに影響します。

都市計画道路と建築制限

都市計画道路の計画線が敷地にかかる場合は建築制限が発生します。計画決定段階では都市計画法第53条の許可が必要です。

また、一定条件では公拡法の届出が必要になるため、売買スケジュールにも影響します。

都市計画道路の計画線が敷地に重なり建築制限を確認するイメージ
都市計画道路の計画線が敷地にかかる場合は、建築可否と売買時の届出を確認します

都市計画図の調べ方——Webと窓口の使い分け

Webで一次スクリーニング

各自治体の都市計画情報提供システムや国土交通省の不動産情報ライブラリで、用途地域等を確認できます。

窓口で最終確認

  • 敷地が用途地域の境にかかる可能性がある
  • 地区計画の詳細な制限を確認したい
  • 都市計画道路の線形・事業化状況を確認したい
  • 用途地域変更等が最近行われた可能性がある
  • 重説の裏付け資料を取得したい

不動産営業・査定での活用

土地活用提案

用途地域と建ぺい率・容積率から建築可能なボリュームを概算できます。

計算例

第一種住居地域、建ぺい率60%・容積率200%、土地300㎡の場合

  • 建築面積上限:300㎡ × 60% = 180㎡
  • 延床面積上限:300㎡ × 200% = 600㎡

土地活用に向いている土地 を判断する際にも重要な材料です。

営業エリアの選定

  • 市街化調整区域が多い地域:建築可能地が限られる
  • 商業地域・近隣商業地域:店舗・事業用地ニーズが高まりやすい
  • 第一種低層住居専用地域:戸建て分譲向きで大規模活用には制約が多い

都市計画図だけではわからないこと

  • 所有者:登記簿謄本で確認
  • 抵当権・根抵当権:登記簿の乙区で確認
  • 建物の現況:現地確認
  • 土地の正確な面積・形状:地積測量図・ 公図
  • インフラ:各事業者へ確認
  • ハザード:自治体のハザードマップ等で確認

不動産チェッカー では、地図上から用途地域・登記情報・面積・融資情報などを確認できます。

都市計画図・登記情報・公図・現地写真を組み合わせて不動産調査を行うイメージ
都市計画図だけで完結せず、登記・公図・現地・インフラ情報を組み合わせて判断します

よくある質問

Q. 都市計画図はどこで見られますか?

各自治体の都市計画課、自治体のWeb地図、国土交通省の不動産情報ライブラリなどで確認できます。

Q. Web地図だけで調査を完結できますか?

推奨しません。用途地域の境界、地区計画、都市計画道路等は窓口確認が必要です。

Q. 用途地域は何種類ありますか?

13種類です。住居系8種類、商業系2種類、工業系3種類です。

Q. 市街化調整区域では何も建てられませんか?

原則として市街化を抑制する区域ですが、許可要件を満たせば建築できる場合があります。

まとめ

  • 都市計画図は土地の法令上の制限を確認する基礎資料
  • 用途地域は住居系8・商業系2・工業系3の計13種類
  • 建ぺい率・容積率・防火規制・地区計画・都市計画道路等を確認する
  • Web地図は一次確認、重要箇所は行政窓口で確認する
  • 土地活用・査定では建築可能ボリュームの概算に使える
  • 所有者・権利関係・正確な面積・インフラは別資料で確認する

参考・出典

  • 都市計画法第8条、第14条、第34条、第53条、第54条
  • 建築基準法第52条、第53条、第61条、第91条
  • 公有地の拡大の推進に関する法律第4条
  • 国土交通省「不動産情報ライブラリ」

ご注意ください

本記事は一般的な情報提供を目的としています。具体的な法令制限や建築計画は、市区町村の都市計画課・建築指導課、建築士などへご確認ください。

用途地域と登記情報をまとめて確認しませんか?

地図上から用途地域、面積、所有者、担保情報などを確認し、土地活用・査定・営業候補の一次調査を効率化できます。