用語集不動産調査
公開日:2026/07/23更新日:2026/09/01

公図とは?見方・取得方法・14条地図との違いをわかりやすく解説

公図は、土地の地番・区画・隣接関係を確認するときに使う法務局の図面です。 ただし「公図」という呼び方には注意が必要で、精度の高い14条地図と、14条地図が整備されるまで備え付けられる地図に準ずる図面は法的な位置づけと精度が異なります。この記事では、見方・取得方法・料金・オンライン閲覧・無料データまで、土地調査で迷いやすい点を整理します。

公図で地番・土地の区画・隣接関係を確認するイメージ
公図は、対象地がどこにあり、周囲のどの土地と接しているかを確認する土地調査の基本資料です。

結論:公図は「土地の位置関係をつかむための図面」です。所有者名や正確な面積・境界を確定する資料ではありません。

公図で見る地番・区画・隣接関係
登記簿で見る所有者・地積・権利関係
地積測量図で見る辺長・境界点・求積

まず公図で対象地と周辺筆を確認し、登記簿・地積測量図・現地確認へ進むのが基本です。

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公図とは?法務局に備え付けられた土地の図面

公図とは一般に、土地の地番、区画、隣接する土地との位置関係を確認するために法務局へ備え付けられている図面を指します。土地の登記簿が所有者・地積・権利関係などを文字で示すのに対し、公図は土地の並び方を図で把握する役割があります。

ただし、法律上の用語としては「公図」という一種類の図面があるわけではありません。不動産登記法第14条では、主に次の2つを区別しています。

区分法的な位置づけ特徴
地図(14条地図)不動産登記法14条1項各筆の位置・区画を明確にし、現地復元性が高い
地図に準ずる図面同法14条4項14条地図が備え付けられるまでの代替図面。明治期の図面を基礎とするものも多く、精度にばらつきがある

日常の不動産実務では、この「地図に準ずる図面」を公図と呼ぶことが多く、14条地図まで含めて広く「公図」と呼ぶ場面もあります。重要なのは、取得した図面がどちらなのかを確認して精度を判断することです。

公図で対象地と周辺地番の配置を確認するイメージ
公図は地番ごとの土地の並びを確認する資料です。図面の種類によって精度が異なります。

公図で分かること・分からないこと

公図は土地調査の入口として非常に便利ですが、確認できる情報には限界があります。

確認項目公図で確認補足
地番対象筆・周辺筆の地番を確認
土地の区画・形状図面上のおおよその形状・配置
隣接地との位置関係どの筆と接しているかを確認
道路・水路等図面上の表示から位置関係を確認できる場合がある
所有者×登記事項証明書・所有者事項で確認
正確な面積×登記簿の地積や地積測量図等で確認
各辺の長さ×地積測量図・測量成果等で確認
現地の境界位置の確定×公図だけでは確定できない
建物の位置・形状×住宅地図・現地・建物図面等を確認

「公図に線がある=現地境界が確定している」ではありません

特に地図に準ずる図面は、現地を復元できるほどの精度を持たない場合があります。売買や境界確定では、公図だけで判断せず地積測量図・境界標・現地・測量成果などを確認します。

公図の見方|まず地番・区画・周辺筆を確認

公図を開いたら、最初に対象地の地番を探し、その土地を囲む線と周辺地番を見ます。土地を一筆ずつ確認するというより、対象地を中心に周囲の土地との関係を読むイメージです。

対象地の地番を確認する住所と地番は別物です。先に登記上の地番を特定します。
区画の線をたどる対象筆のおおよその形状と、どの土地に囲まれているかを確認します。
隣接地番を確認する隣接筆・連続する筆の地番を拾い、必要なら登記情報へ進みます。
道路・水路らしき区画を確認する「道」「水」などの表記、無地番の細長い区画等がないか確認します。
図面の種類・縮尺等を見る14条地図か地図に準ずる図面かを確認し、図面の精度を前提に読みます。

旧公図では道路を赤、水路を青で示した図面が残る場合があり、「赤道」「青道」と呼ばれます。ただし、現在取得する地図等証明書が常に赤・青で色分けされているわけではありません。 色だけで判断せず、表記や登記・行政資料も確認してください。

公図で対象地の地番・区画・道路・水路を読み取るイメージ
対象地だけでなく、周辺地番・道路・水路などとの位置関係をセットで確認します。

公図と14条地図の違い|精度と現地復元性が重要

検索や不動産実務では「公図」と「14条地図」が混同されがちですが、ここは今回のリライトで特に明確にしたポイントです。

比較14条地図公図(地図に準ずる図面)
根拠不動産登記法14条1項同法14条4項
役割土地の位置・区画を明確にする地図14条地図が整備されるまでの代替図面
精度比較的高い地域・作製時期によりばらつき
現地復元性高い現地復元が難しい場合がある
実務での扱い位置・筆界確認の重要資料位置関係を把握する参考資料として慎重に利用

法務省も、地図に準ずる図面(公図)は明治期の地租改正時に作成されたものが多く、現地を復元するほどの精度と正確性を有していないと説明しています。したがって、図面を取得したら「公図だから正しい」と一括りにせず、種別を確認することが大切です。

公図と地積測量図・一般地図・地番参考図の違い

土地調査では似た図面がいくつも登場します。目的ごとに使い分けると迷いません。

資料主な役割主に確認する情報
公図土地の並びを確認地番・区画・隣接関係
14条地図位置・区画を高い精度で確認各筆の位置・筆界
地積測量図一筆の測量結果を確認境界点、辺長、求積、座標等
一般的な地図場所・道路・建物を確認住所、道路、施設、建物名等
自治体の地番参考図地番の参考確認課税資料等を基にした地番配置。法務局の公図とは別資料

「その土地はどこ?」なら公図・14条地図、「各辺は何m?」なら地積測量図、「所有者は誰?」なら登記簿謄本という切り分けが基本です。

公図・地積測量図・一般地図の役割を比較するイメージ
公図は位置関係、地積測量図は測量結果、一般地図は現地の場所確認と、目的が異なります。

公図の取得方法と料金|法務局・オンラインの3つの方法

公図を確認する主な方法は、①法務局で地図等証明書を取得、②オンラインで地図等証明書を請求、③登記情報提供サービスで地図情報を閲覧の3つです。

方法2026年9月時点の目安向いているケース
法務局で地図等証明書を請求500円/1筆証明書として写しが必要
オンライン請求 → 窓口受取440円/1筆手数料を抑えて証明書を取得
オンライン請求 → 郵送受取470円/1筆法務局へ行かず証明書を受領
登記情報提供サービス360円/1件証明書ではなく内容確認・調査をしたい

※地図等証明書の手数料は2025年4月改定後の法務局案内、登記情報提供サービスは2026年4月1日改定後の利用料金を参照。制度・料金は変更される場合があるため、実際の請求時は公式サイトで確認してください。

証明書が必要か、内容確認だけかで選ぶ

  • 提出用・証明書が必要:法務局または登記・供託オンライン申請システム
  • 調査・閲覧が目的:登記情報提供サービス
  • 大量データを加工・分析:次章のG空間情報センターの無償データ
法務局・オンライン・登記情報提供サービスで公図を取得するイメージ
証明書が必要か、内容を確認できればよいかで取得方法を使い分けます。

公図を無料で見る方法|登記所備付地図データは無償公開されている

「公図をネットで無料で見たい」という検索意図に対して、現在は重要な選択肢があります。法務省は全国の登記所備付地図の電子データを、G空間情報センターを通じて無償公開しています。

2026年4月15日には、2026年2月時点の地図データが公開されました。対象には14条1項の地図だけでなく、14条4項の地図に準ずる図面のデータも含まれます。

無料データを使うときの注意

  • 法務局が交付する「地図等証明書」そのものではありません
  • 公開データには基準時点があり、最新登記と完全に同時点とは限りません
  • 元データは地図XML形式で、表示・加工に変換作業が必要な場合があります
  • 2026年8月からはG空間情報センターでShape/GeoJSON変換済みデータも公開されています
  • 所有者名や権利関係を確認するには別途登記情報が必要です

つまり、「地番配置を無料で広く確認・分析したい」ならオープンデータ、「その時点の登記調査や証明書が必要」なら法務局・登記情報提供サービスという使い分けが現実的です。

地番を見た後、所有者・登記情報まで調べる場合

公図や無料の地図データで分かるのは、主に土地の位置関係です。不動産チェッカーでは、地図上の土地から登記・所有者情報などへ進み、複数物件の調査をまとめて行えます。

公図と現況がずれるのはなぜ?「公図混乱」にも注意

現地の道路や土地の形と、公図上の区画が合わないことがあります。特に古い地図に準ずる図面では、作製当時の測量精度や、その後の土地利用の変化などから大きなずれが生じるケースがあります。

法務省は、公図と現地が大きく異なる地域を「地図混乱地域」と説明しており、境界確認や土地利用、担保設定などに支障が生じることがあるとしています。

  • 公図上の形と現況が大きく違う
  • 道路・水路の位置が現地と合わない
  • 分筆・合筆の履歴が多い
  • 境界標が見つからない
  • 地積測量図がない、または古い

このような場合は、公図の線を現地境界だと決めつけないことが重要です。土地家屋調査士など専門家による確認が必要になる場合があります。

不動産調査での公図の使い方|「公図だけ」で終わらせない

実務では、公図を単独で見るより、次の順番で情報を重ねると効率的です。

住所・地図から対象地を特定まず場所を確定し、地番を確認します。
公図で対象筆と隣接筆を見る土地のまとまり、隣接地、道路・水路等を確認します。
登記簿で所有者・地積・権利を見る地主営業、相続調査、担保調査ではここが重要です。
必要なら地積測量図・現地へ進む形状・辺長・境界に関わる判断は追加資料で確認します。

たとえば地主営業なら、公図で周辺筆のまとまりを確認し、登記情報から所有者を確認すると、「同じ所有者が隣接する複数筆を持っているか」という営業上重要な情報へ進めます。

公図・登記情報・地積測量図を組み合わせて不動産調査するイメージ
公図を入口に、登記・測量・現地情報を重ねることで、地主営業や仕入れ調査の精度が上がります。

公図についてよくある質問

公図とは何ですか?

土地の地番・区画・隣接関係を確認するために法務局へ備え付けられている図面の通称です。厳密には14条地図と地図に準ずる図面を区別して確認します。

公図は誰でも取得できますか?

はい。地図等証明書は誰でも請求できます。法務局の窓口やオンライン請求を利用できます。

公図はオンラインで取得できますか?

はい。証明書が必要なら登記・供託オンライン申請システム、閲覧が目的なら登記情報提供サービスを利用できます。

公図を無料で見る方法はありますか?

法務省がG空間情報センターで登記所備付地図データを無償公開しています。ただし証明書ではなく、データの時点や精度を確認して利用する必要があります。

公図に所有者名は載っていますか?

通常の地図等証明書で所有者名を確認する資料ではありません。所有者は登記事項証明書や所有者事項などで確認します。

公図だけで土地の境界は分かりますか?

公図だけで現地境界を確定することはできません。地積測量図、境界標、現地確認、必要に応じた測量などを組み合わせます。

公図と地積測量図は何が違いますか?

公図は土地の位置関係や地番配置を確認する図面、地積測量図は一筆の土地の境界点・辺長・求積など測量結果を確認する図面です。

まとめ|公図は土地調査の「入口」として使う

  • 公図は土地の地番・区画・隣接関係を確認する図面
  • 14条地図と地図に準ずる図面では精度・現地復元性が異なる
  • 公図だけでは所有者・正確な面積・現地境界は確定できない
  • 取得は法務局、オンライン請求、登記情報提供サービスから選べる
  • 2026年現在、登記所備付地図データはG空間情報センターで無償公開されている
  • 実務では公図 → 登記簿 → 地積測量図・現地確認の順に情報を重ねる

ご注意ください

本記事は一般的な情報提供を目的としています。境界確定、測量、登記手続きなど個別案件の判断は、法務局・土地家屋調査士・司法書士などの専門家へご確認ください。

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