結論:土地の所有者を正確に調べるには、対象となる土地の地番を特定し、登記情報または登記事項証明書を確認するのが基本です。
住所(住居表示)だけでは登記上の土地を特定できない場合があるため、住所しか分からないときは、住所 → 地図上の位置 → 地番 → 登記情報 → 所有者という順番で調べます。
地番候補の確認までは無料でできる場合がありますが、登記上の所有者を正確に確認するには通常費用がかかります。現在の所有者だけを確認するなら「所有者事項」、所有権移転や抵当権まで見るなら「全部事項」と目的に応じて使い分けます。
この記事でわかること
- 土地の所有者を調べる最短ルート
- 住所しか分からない場合の調査手順
- 住所と地番の違い
- 無料で調べられる範囲
- 法務局とオンライン確認の違い
- 所有者事項と全部事項の使い分け
- 土地と建物の所有者が違うケース
- 複数の土地所有者をまとめて調べる方法
- 不動産営業で登記情報を利用するときの注意点
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土地所有者の調査は、地番・公図・登記情報を組み合わせると理解しやすくなります。
土地の所有者情報はどこに載っている?
土地の所有者を確認するときに基本となるのが、不動産の登記情報です。
土地の登記記録には、所有権に関する情報として、所有者の氏名または名称、住所、共有の場合は持分などが記録されています。
| 取得情報 | 確認できる主な内容 | 2026年8月時点の料金 |
|---|---|---|
| 所有者事項 | 現在の所有者の氏名・住所・持分 | 140円 |
| 全部事項 | 所有権移転履歴、抵当権等を含む登記情報 | 330円 |
| 地図 | 公図等 | 360円 |
| 地積測量図等 | 土地の形状・測量情報 | 360円 |
単に現在の登記名義人だけ知りたいのであれば、全部事項ではなく所有者事項で足りるケースがあります。
一方、取得原因、所有権移転時期、抵当権、過去の登記履歴まで確認したい場合は全部事項を取得します。
先に結論|分かっている情報別の調べ方
| 現在分かっていること | 最初にすること | 次の手順 |
|---|---|---|
| 地番が分かる | 登記情報を検索 | 所有者事項または全部事項を取得 |
| 住所しか分からない | 地番を調べる | 地番から登記情報を取得 |
| 地図上の場所しか分からない | 地番検索・公図等で土地を特定 | 登記情報を取得 |
| 所有者名だけ分かる | 通常の登記検索では逆引き不可 | 対象不動産を先に特定 |
| 建物名しか分からない | 土地と建物を分けて特定 | 地番・家屋番号から確認 |
| 大量の物件がある | 地図・地番を一覧化 | 登記取得・データ化を検討 |
住所と地番は違う
土地所有者調査で最初につまずきやすいのが、「住所」と「地番」の違いです。
普段利用している住所は郵便や住民登録などに使われる住居表示であることがあります。一方、土地の登記記録を特定するときに使うのが地番です。
そのため、住所が分かっていても、そのまま登記情報を検索できるとは限りません。土地なら地番、建物なら家屋番号で対象不動産を特定します。
詳しくは地番とは?で解説しています。
住所しか分からない場合の土地所有者の調べ方
住所しか分からない場合は、次の順番で調べます。
基本フロー
住所 → 地図上の位置 → 地番 → 登記情報 → 所有者
STEP1|対象となる土地の位置を確認する
まず、住所や地図から対象地をできるだけ正確に特定します。一つの住所に複数筆が含まれる、建物敷地が複数筆にまたがる、駐車場と隣接宅地で地番が異なる、といったケースがあります。
STEP2|住所からおおよその地番を調べる
法務省が案内する地番検索サービス等では、住宅地図を利用して住居表示からおおよその地番を確認できます。ただし、対象地が複数筆に分かれている場合や地番境界が分かりにくい場合は、公図等と照合します。
STEP3|地番を使って登記情報を検索する
地番が分かったら、法務局、登記情報提供サービス、登記・供託オンライン申請システムなどで対象土地を特定します。
STEP4|所有者事項または全部事項を取得する
現在の所有者だけ確認するなら所有者事項、取得原因・抵当権等まで確認するなら全部事項を取得します。
土地所有者は無料で調べられる?
地番を探すところまでは無料でできる場合がありますが、登記上の所有者を正確に確認するには原則として費用がかかります。
| 方法 | 無料? | 所有者まで分かる? |
|---|---|---|
| Googleマップ等 | ○ | × |
| 地番検索サービス | ○ | × |
| 自治体の公開地図 | ○ | × |
| 公図等 | 有料の場合あり | × |
| 登記情報提供サービス・所有者事項 | × | ○ |
| 登記情報提供サービス・全部事項 | × | ○ |
| 登記事項証明書 | × | ○ |
したがって、完全無料で第三者の土地所有者を正式に確認する方法は基本的にはありません。
方法1|法務局で登記事項証明書を取得する
土地の地番が分かっていれば、法務局で登記事項証明書を取得できます。土地・建物の登記事項証明書は、原則として誰でも請求できます。
正式な証明書として提出する必要がある場合は、登記事項証明書を利用します。
方法2|登記情報提供サービスでオンライン確認する
営業前の調査や不動産調査の一次確認であれば、登記情報提供サービスが便利です。
2026年8月時点では、所有者事項140円、全部事項330円で確認できます。
ただし、登記情報提供サービスで取得する情報には、登記事項証明書のような登記官の証明文等はありません。
使い分け
調査・閲覧用 → 登記情報提供サービス
正式な提出・証明用 → 登記事項証明書
オンライン取得の詳しい違いは登記簿謄本はオンラインで取得できる?で解説しています。
方法3|所有者事項だけ取得する
地主営業や物件所有者の一次確認では、毎回全部事項を取得する必要がない場合があります。
「まず現在の所有者だけ確認したい」という段階では、所有者事項を使い、その後必要な物件だけ全部事項を追加取得する方法があります。
件数が多い調査では、所有者確認 → 詳細調査の二段階に分けることで取得コストを抑えやすくなります。
市役所に聞けば土地所有者を教えてもらえる?
第三者が市役所の固定資産税担当へ問い合わせれば、自由に所有者情報を教えてもらえるわけではありません。
自治体は課税上の情報を保有していますが、市役所は誰でも所有者検索ができる窓口ではありません。第三者が登記された所有者を調べる場合は、基本的に法務局・登記情報を利用します。
Googleマップで土地所有者は分かる?
Googleマップ等の一般的な地図では、建物名・住所・道路・店舗情報・航空写真などは確認できますが、登記上の土地所有者を確認する資料にはなりません。
対象地の位置を確認し、そこから地番調査へ進むための入口として利用します。
所有者名から所有土地を逆引きできる?
通常の登記事項証明書・登記情報の検索では、名義人名から所有土地を一括で逆引きすることはできません。
地主営業等で同一所有者の複数物件を把握したい場合は、対象エリアの不動産を先に特定し、各土地の登記名義人を確認したうえで同一所有者を名寄せしていく流れになります。
土地と建物の所有者が違う場合がある
土地所有者を調べるときは、土地の所有者と、そこに建っている建物の所有者が同じとは限らない点にも注意が必要です。
- 親の土地に子どもが建物を所有している
- 法人が借地上に店舗・工場を所有している
- 地主から土地を借りて賃貸建物を所有している
土地は地番、建物は家屋番号で別々の登記記録として管理されています。建物所有者まで確認したい場合は、建物の登記情報も確認します。
登記上の所有者住所と土地所在地が違うこともある
土地所有者の住所として登記されている住所は、対象不動産の所在地とは別です。
例えば、東京都の土地を神奈川県在住の所有者が保有していることもあります。不動産営業では、遠隔地所有が管理負担・相続・資産整理等の営業仮説につながる場合があります。
ただし、遠隔地所有だから売却ニーズがあると断定することはできません。 登記情報はあくまで仮説材料です。
公図が必要になるケース
地番が分かったとしても、どの筆が対象地なのか分からない、一つの敷地が複数筆に分かれている、隣接地との位置関係を確認したい、といった場合があります。
このようなときに使うのが公図です。公図は土地の位置や隣接関係を確認する資料ですが、必ずしも現地の寸法や境界を精密に示す図面ではありません。
より正確な測量情報が必要な場合は地積測量図も確認します。
複数の土地所有者をまとめて調べる場合
一件だけなら、地番を確認して登記を取得する方法でも大きな負担にはなりません。問題は、数十件・数百件の候補を調べる場合です。
- 営業エリアを決める
- 地図から候補物件を抽出する
- 地番を整理する
- 登記情報を取得する
- 所有者を一覧化する
- 同一所有者を名寄せする
- 土地条件や登記情報から優先順位を付ける
- 営業リストとして管理する
件数が増えるほど、所有者を調べる作業そのものの効率化が営業生産性に直結します。
不動産営業では所有者を調べた後が重要
地主営業でよくあるのが、「所有者が分かったら、すぐ電話・DM・訪問」という流れです。しかし、土地所有者であることと、現在ニーズがあることは別です。
| 確認できた情報 | 考えられる営業仮説 |
|---|---|
| 駐車場・空き地 | 土地活用・売却・管理 |
| 築古アパート | 修繕・建替え・売却・借換え |
| 相続による所有権移転 | 資産整理・保有方針の見直し |
| 遠隔地所有 | 管理負担・資産整理 |
| 他行の抵当権 | 借換え・融資提案 |
| 複数不動産所有 | 資産全体の見直し |
重要なのは、「この人へ、なぜ今、何を提案するのか」まで仮説を作ることです。
詳しくは地主営業とは?と地主営業で成果が出ない7つの理由で解説しています。
不動産チェッカーで土地所有者調査を効率化
一件ずつ土地の所在地・地番・登記情報を調べる方法でも所有者は確認できます。一方、不動産会社・金融機関・建設会社などが営業目的で大量の土地を調査する場合は、地図を起点に候補を探せる仕組みがあると効率が上がります。
不動産チェッカーでは、地図上から土地・建物を確認しながら、地番、土地・建物情報、所有者、登記情報、抵当権・根抵当権、用途地域、面積などを確認し、営業候補調査に活用できます。
活用例
- 地主営業:駐車場・空き地 → 所有者確認 → 土地条件確認 → 土地活用・売却提案
- 金融機関:アパート・法人所有不動産 → 所有者確認 → 他行抵当権確認 → 借換え・融資先開拓
- 建設・ハウスメーカー:広い土地・築古物件 → 所有者確認 → 用途地域・面積確認 → 建替え・土地活用提案
単に所有者リストを作るのではなく、土地条件と所有者情報を組み合わせて営業すべき相手を絞ることが重要です。
登記簿PDFをExcel化して所有者を整理する方法
すでに複数の登記簿PDFを持っている場合は、一件ずつ開いて確認するより、Excel等へ一覧化した方が営業利用しやすくなります。
| 地番 | 所有者 | 住所 | 取得原因 | 受付年月日 | 抵当権者 |
|---|---|---|---|---|---|
| 100-1 | 山田太郎 | 東京都○○区 | 相続 | 2025/10/1 | ○○銀行 |
| 101-2 | ○○株式会社 | 東京都△△区 | 売買 | 2019/5/2 | △△信金 |
一覧化すると、同一所有者の複数物件、相続、他行担保、長期保有などを比較しやすくなります。
トーラスの無料PDF変換サービスでは、登記簿PDFをExcel等へデータ化できます。
関連記事:登記簿PDFを営業リストに変える方法
登記情報を営業に使うときの個人情報保護
登記簿は公開情報ですが、公開されているから個人情報ではない、というわけではありません。
登記簿等により公開されている氏名・住所等であっても、個人情報として適切に取り扱う必要があります。
- 何の目的で取得・利用するのか
- 誰が閲覧できるのか
- どのように保存するのか
- 不要になったデータをどう扱うのか
- 勧誘方法や社内規程と整合しているか
登記情報を取得できることと、その後どのように利用してもよいことは別です。自社の個人情報保護方針・社内規程等に沿って管理します。
よくある質問
Q. 土地の所有者は誰でも調べられますか?
対象となる土地を地番で特定できれば、登記事項証明書は原則として誰でも請求できます。所有者本人の許可がなければ取得できない制度ではありません。
Q. 住所だけで土地所有者を調べられますか?
住所をそのまま登記検索に入力するのではなく、まず住所から地番を特定し、その地番を使って登記情報を確認します。
Q. 土地所有者を無料で調べる方法はありますか?
地番候補の確認までは無料でできる場合がありますが、登記上の所有者を正確に確認するには通常費用が必要です。
Q. Googleマップで土地所有者は分かりますか?
分かりません。Googleマップ等は場所・住所の確認には使えますが、登記上の所有者を確認する資料ではありません。
Q. 市役所に聞けば土地所有者を教えてもらえますか?
第三者へ固定資産税等の所有者情報を自由に回答しているわけではありません。第三者が登記された所有者を調べる場合は、法務局・登記情報を利用するのが基本です。
Q. 所有者の名前から持っている土地を全部検索できますか?
通常の不動産登記検索では、名義人から所有土地を逆引きすることはできません。先に対象不動産を地番で特定する必要があります。
Q. 土地と建物の所有者が違うことはありますか?
あります。土地と建物は別々の不動産として登記されるため、土地所有者と建物所有者が異なるケースがあります。
Q. 登記情報提供サービスと登記事項証明書は何が違いますか?
登記情報提供サービスはオンラインで登記情報を確認するためのサービスです。正式な提出用証明書が必要な場合は登記事項証明書を取得します。
まとめ
土地の所有者を調べる基本的な流れは、次のとおりです。
- 対象となる土地を地図で確認する
- 住所から地番を調べる
- 必要に応じて公図で土地を特定する
- 地番から登記情報を検索する
- 所有者事項または全部事項を取得する
- 所有者の氏名・住所・持分を確認する
ポイントは、住所と地番は同じとは限らないことです。また、現在の所有者だけ確認するのか、抵当権・取得原因まで確認するのかによって、取得する登記情報を使い分けます。
不動産営業では、所有者を見つけること自体がゴールではありません。その土地の利用状況・所有状況・担保情報等を見ながら、なぜこの所有者へ提案するのかまで営業仮説につなげることが重要です。
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ご注意ください
本記事は2026年8月17日時点の公表情報に基づく一般的な情報提供を目的としています。登記情報や個人情報を営業活動に利用する場合は、個人情報保護法、自社の個人情報保護方針・社内規程等に従って適切に取り扱ってください。
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