不動産営業 登記情報
公開日:2026/07/31 更新日:2026/07/31

登記簿謄本はオンラインで取得できる?料金・手順・PDF閲覧との違いを解説

提出用の登記事項証明書を請求する方法と、PDFで登記内容を確認する方法は別サービスです。料金・手順・受取時間・地番の調べ方・大量取得時の選択肢まで整理します。

登記簿謄本のオンライン請求とPDF閲覧の違いを比較するイメージ
提出用の紙の証明書を請求する方法と、調査用のPDFを即時閲覧する方法は別サービスです

登記簿謄本は、法務局の「登記・供託オンライン申請システム」からオンラインで交付請求できます。ただし、受け取りは郵送または窓口であり、電子データの証明書が発行されるわけではありません。

内容をその場でPDF確認したいだけであれば、「登記情報提供サービス」を利用します。この2つは運営主体・料金・取得形式・用途が異なるサービスです。

2026年8月3日から、登記・供託オンライン申請システムの利用時間は平日23時まで、土日祝日は18時までに拡大される予定です。

この記事でわかること

  • 登記簿謄本をオンラインで取得する2つの方法
  • 窓口・郵送・オンライン・PDF閲覧の手数料
  • オンライン請求の具体的な手順と受取時間
  • 地番・家屋番号が分からない場合の調べ方
  • 照会番号を利用して行政手続へ提出する方法
  • 数十件以上をまとめて取得・データ化する方法

この記事の読み方

あなたの状況 読むべき箇所
1〜数件を自分で取得したい 第2章「オンライン取得の2つの方法」第5章「オンライン請求の手順」
地番が分からず止まっている 第8章「地番・家屋番号の調べ方」
提出先にPDFで出せるか知りたい 第7章「照会番号」
数十件以上をまとめて扱いたい 第11章「件数が増えたときの選択肢」第12章「Excel・CSV化」
会社の登記簿謄本を取りたい 第1章「不動産登記と商業・法人登記」

不動産登記と商業・法人登記で特定方法が変わる

「登記簿謄本」と呼ばれる書類には、不動産登記と商業・法人登記があります。請求システムと手数料は共通ですが、対象を特定するために入力する情報が異なります。

比較項目 不動産登記 商業・法人登記
対象 土地・建物 会社・法人
特定方法 所在+地番・家屋番号、不動産番号 商号+本店、会社法人等番号
主な証明書 全部事項・現在事項・所有者事項証明書 履歴事項全部証明書・現在事項・代表者事項証明書
手数料 共通 共通

この記事では主に不動産登記を前提に説明します。会社の登記簿謄本を取得する場合も、料金とオンライン請求の流れは共通です。

登記簿謄本をオンラインで取得する2つの方法

オンライン請求と登記情報PDF閲覧を使い分けるイメージ
提出のために必要なら紙の証明書、内容確認だけならPDFの登記情報を選びます

提出用:登記・供託オンライン申請システム

法務省が運営するシステムで、登記事項証明書の交付をオンラインで請求できます。オンラインになるのは請求手続だけであり、証明書そのものは紙で発行されます。

  • 指定住所への郵送
  • 法務局窓口での受取
  • 法務局証明サービスセンターでの受取

調査用:登記情報提供サービス

一般財団法人民事法務協会が運営する有料サービスで、請求時点の登記情報を画面表示し、PDFとして保存できます。

  • 不動産登記情報
  • 地図・公図
  • 地積測量図
  • 建物図面・各階平面図
  • 商業・法人登記情報

PDFには登記官の証明文や公印が付かないため、原則として提出書類には使えません。

2つのサービスの違い

項目 登記・供託オンライン申請システム 登記情報提供サービス
運営 法務省 一般財団法人民事法務協会
取得物 登記事項証明書 登記情報
形式 PDF
受取方法 郵送または窓口 即時表示・保存
証明文・公印 あり なし
手数料 490円/520円 全部事項330円
取得時間 翌業務日以降 即時
主な用途 契約・融資・行政手続・登記申請 物件調査・所有者確認・営業準備

判断基準は「提出するなら証明書、調べるだけなら登記情報」です。

手数料の比較

取得方法 手数料
法務局窓口での書面請求 1通600円
郵送での書面請求 1通600円+郵送料等
オンライン請求・窓口受取 1通490円
オンライン請求・郵送受取 1通520円
登記情報提供サービス・全部事項 1件330円
登記情報提供サービス・所有者事項 1件140円
登記情報提供サービス・地図・図面 1件360円

登記事項証明書は、1通の枚数が50枚を超える場合、超える50枚までごとに100円が加算されます。

コストを抑えるポイント

  • 書面請求より安いオンライン請求を使う
  • 所有者情報だけなら所有者事項証明書で足りないか検討する

オンライン請求の手順と受取日数

紙の登記事項証明書とPDFの登記情報を比較するイメージ
紙の証明書には証明文・公印がありますが、登記情報提供サービスのPDFにはありません
  1. 申請者情報を登録する
  2. かんたん登記・供託申請へログインする
  3. 対象を指定する
  4. 証明書と受取方法を選ぶ
  5. 請求情報を送信する
  6. 手数料を電子納付する
  7. 郵送または窓口で受け取る

申請者情報は1年間利用がないと削除されるため、久しぶりに利用する場合は事前にログインを確認してください。

オンライン請求は即日受取ではない

方法 手数料 受取まで
窓口で書面請求 600円 即日
オンライン請求・窓口受取 490円 翌業務日以降
オンライン請求・郵送受取 520円 数日

17時15分以降に送信した請求は翌業務日の受付扱いです。今日中に必要なら、窓口での書面請求が確実です。

2026年8月3日から利用時間が拡大予定

登記・供託オンライン申請システムは、2026年8月3日から利用時間が拡大される予定です。

曜日 改定前 2026年8月3日以降
平日 8:30〜21:00 8:30〜23:00
土日祝日 利用不可 8:30〜18:00

年末年始は休業です。また、利用可能時間が広がっても、17時15分以降の送信が翌業務日受付になる点は変わりません。

登記情報提供サービスの利用時間

情報 平日 土日祝日
登記情報 8:30〜23:00 8:30〜18:00
地図・図面情報 8:30〜21:00 利用不可

PDFを提出できる例外「照会番号」

登記事項証明書をオンライン請求して電子納付する手順のイメージ
物件指定・証明書選択・送信・電子納付・受取という順番で手続きを進めます

登記情報提供サービスのPDFは原則として提出書類に使えません。ただし、行政機関などへのオンライン申請では、照会番号を伝えることで提出先が登記情報を直接確認できる場合があります。

項目 内容
取得方法 請求時に照会番号取得欄へチェック
有効期間 取得日の翌日から100日間
同時取得数 1件につき最大10個
費用 照会番号1個ごとに利用種別に応じた料金
再利用 不可

照会番号を認めるかは提出先によって異なるため、取得前に必ず確認してください。

地番・家屋番号が分からない場合の調べ方

住所として使う住居表示と、登記上の地番は別のものです。郵便物の住所をそのまま入力しても、対象不動産を特定できない場合があります。

方法 費用 向いている場面
法務局へ電話照会 無料 1〜2件
公図を取得 360円/件 隣接地も確認
ブルーマップ 無料〜 特定エリア
固定資産税の課税明細 無料 自分の不動産
土地からの建物検索 330円/件 家屋番号が不明
自治体の公開地番図 無料 公開地域

家屋番号が分からない場合は、土地からの建物検索を利用できます。

地番と住居表示には規則的な対応がない場合が多いため、推測せずに公図やブルーマップなどで確認します。

住所と地番の違いを地図・公図・ブルーマップで確認するイメージ
オンライン請求の前に、住居表示ではなく登記上の地番・家屋番号を特定します

他人の不動産も取得できる

登記事項証明書は、所有者本人でなくても取得できます。対象不動産を特定できれば、原則として同意書や委任状は不要です。

ただし、取得した情報を営業活動などへ利用する場合は、個人情報保護法、関連ガイドライン、自社の情報管理規程を確認する必要があります。

オンライン取得時の注意点

  1. 登記手続中は取得できないことがある
  2. 物件を誤ると返金は難しい
  3. 取得情報はその時点のもの

件数が増えたときの選択肢

状況 適した方法
1件をすぐ確認 登記情報提供サービス
提出用の証明書が必要 オンライン交付請求
数件を定期的に取得 自社でオンライン取得
数十件以上を一括取得 取得代行・一括取得
複数物件を比較・管理 Excel・CSV化

100件なら、検索・物件指定・支払い・PDF保存・ファイル名変更で単純計算500工程です。費用より作業時間と取り違えリスクが問題になります。

数十件以上を業務で扱う場合

株式会社トーラスでは、謄本取得スポットと無料PDF変換サービスを提供しています。

取得した登記簿謄本をExcel・CSVにする

PDFは1件ずつ確認する用途には向きますが、複数物件の比較や営業リスト、担保不動産管理には不向きです。

  • 所在・地番・家屋番号
  • 土地・建物の種類
  • 地積・床面積
  • 所有者の氏名・住所
  • 所有権取得日
  • 抵当権者・債権額
  • 受付年月日・受付番号

単純なOCRだけでは、行列の崩れや抹消事項の誤認が起こりやすくなります。

詳細は大量の登記簿PDFをExcel化する方法でも解説しています。

複数の登記情報PDFをExcelやCSVへ一覧化するイメージ
登記情報を列ごとに整理すると、物件比較・営業リスト作成・担保管理に利用しやすくなります

オンライン取得だけでは解決しないこと

  • 条件に合う物件をエリア内から探す
  • 同じ所有者が持つ他の不動産を確認する
  • 金融機関別の担保設定状況を把握する
  • 地番が分からない状態から物件を特定する
  • 数百件のPDFを一覧比較する

物件を探す段階から支援するサービス

株式会社トーラスの不動産チェッカーは、地図上で登記情報、所有者情報、担保設定などを確認できるサービスです。

地図から不動産を特定し所有者・担保情報を確認するイメージ
不動産チェッカーでは、物件を探す段階から所有者・登記・担保情報を確認できます

よくある質問

Q. 登記簿謄本はオンラインですぐ取得できますか?

登記情報提供サービスならPDFを即時確認できます。正式な証明書は翌業務日以降です。

Q. 登記簿謄本をPDFで取得できますか?

PDFは証明文・公印のない登記情報です。

Q. 土日でもオンライン請求できますか?

2026年8月3日から土日祝日8:30〜18:00に利用可能となる予定です。

Q. 他人の不動産も取得できますか?

対象を特定できれば請求できます。

Q. 住所しか分からなくても取得できますか?

公図・ブルーマップ・法務局照会などで地番を確認します。

Q. PDFを銀行や役所へ提出できますか?

原則不可ですが、照会番号で代替できる場合があります。

Q. 会社の登記簿謄本もオンライン取得できますか?

取得できます。商号・本店または会社法人等番号で特定します。

まとめ

  • 提出用証明書の請求とPDF閲覧は別サービス
  • オンライン請求でも証明書は紙
  • 窓口受取490円、郵送受取520円
  • 調査だけなら全部事項330円、所有者事項140円
  • 2026年8月3日から利用時間拡大予定
  • 住居表示と地番は別
  • 照会番号で行政手続に利用できる場合がある
  • 件数増加で作業時間と取り違えリスクが問題になる

参考・出典

  • 法務局「登記事項証明書等の請求にはオンラインでの手続が便利です」
  • 法務局「主な手数料一覧」
  • 登記・供託オンライン申請システム「サービスの利用時間の拡大について」
  • 登記情報提供サービス「利用料金の改定について」

ご注意ください

本記事は2026年7月31日時点の公開情報をもとに作成しています。実際の手続きでは各公式サイトの最新情報をご確認ください。

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