
結論:「今の所有者だけ知りたい」なら所有者事項証明書、「抵当権や取得経緯まで知りたい」なら全部事項証明書、と考えると分かりやすいです。
注意:オンラインで閲覧できる「所有者事項」は、紙の所有者事項証明書とは別物です。登記情報提供サービスの情報は確認用であり、証明書として提出する用途には使えません。
所有者事項証明書を30秒で確認
所有者事項証明書とは?現在の所有者情報に絞った証明書
所有者事項証明書は、不動産登記に記録されている情報のうち、現在の所有者・共有者に関する事項に絞って証明する書類です。
法務局の交付請求書では、「所有者事項証明書(所有者・共有者の住所・氏名・持分のみ)」として請求できます。法人が所有者の場合は法人名・所在地が記載され、共有不動産では共有者ごとの持分を確認できます。
所有者事項証明書で確認できる主な情報
- 現在の所有者:個人の氏名または法人名
- 登記上の住所:所有者・法人の所在地
- 持分:共有の場合の持分割合
「所有者が誰かを確認するだけ」であれば、全部事項証明書より情報を絞って確認できます。

所有者事項証明書で分からないこと
所有者事項証明書は「所有者確認」に特化しているため、権利関係や取得の経緯までは分かりません。
- 抵当権・根抵当権:金融機関などの担保設定
- 差押え・仮登記:所有権に関するその他の登記事項
- 取得原因:売買・相続・贈与など
- 受付年月日・受付番号:登記が受け付けられた時期
- 過去の所有者・権利変動:所有権移転の履歴
所有者事項証明書に抵当権が書かれていないからといって、「抵当権がない」という意味ではありません。権利関係まで確認する場合は全部事項証明書等が必要です。

所有者事項証明書と全部事項証明書の違い
違いは、「現在の所有者だけを見るか」「登記記録を広く確認するか」です。
| 確認項目 | 所有者事項証明書 | 全部事項証明書 |
|---|---|---|
| 現在の所有者 | 確認できる | 確認できる |
| 所有者の住所 | 確認できる | 確認できる |
| 共有持分 | 確認できる | 確認できる |
| 取得原因・受付年月日 | 確認できない | 確認できる |
| 抵当権・根抵当権 | 確認できない | 確認できる |
| 過去の権利変動 | 確認できない | 確認できる範囲が広い |
| 向いている用途 | 現在の名義人だけ確認 | 売買・融資・権利関係の調査 |
所有者確認だけなら所有者事項証明書。 相続による取得時期、売買による所有権移転、抵当権や根抵当権まで確認したい場合は、全部事項証明書を選びます。
なお、共有者が非常に多い不動産で特定の共有者に関する部分を証明したい場合は、一部事項証明書という別の種類もあります。
あなたが次に確認したいのはどれですか?
所有者事項証明書の概要が分かったら、目的に合う次のページへ進むと調査が早くなります。

所有者事項証明書の取得方法|オンライン請求との違いに注意
所有者事項証明書そのものは、法務局で書面により交付請求します。窓口で請求するほか、請求書を郵送して交付を受ける方法があります。
「オンラインで所有者事項証明書を取る」は少し違う
登記・供託オンライン申請システムでオンライン交付請求できる不動産の登記事項証明書は、全部事項証明書・現在事項証明書・閉鎖事項証明書です。所有者事項証明書はオンライン交付請求の対象として案内されていません。
一方、登記情報提供サービスでは「所有者事項」をオンラインで確認できます。こちらは証明書ではなく、閲覧・保存するための登記情報です。
オンラインで全部事項証明書を取得する方法については、登記簿謄本をオンラインで取得する方法で詳しく解説しています。

所有者事項証明書の手数料はいくら?
2026年9月時点では、法務局で書面請求する登記事項証明書の手数料は1通600円です。所有者事項証明書を窓口・郵送で請求する場合も、登記事項証明書として書面請求します。
一方、証明書が不要で「現在の所有者だけ確認できればよい」場合は、登記情報提供サービスの所有者事項が1件140円です(2026年4月1日以降)。
| 方法 | 内容 | 料金の目安 | 証明書として使える? |
|---|---|---|---|
| 所有者事項証明書 | 法務局へ書面請求 | 600円/通 | 使える |
| 登記情報提供サービス「所有者事項」 | オンラインで所有者情報を閲覧 | 140円/件 | 使えない |
| 全部事項証明書 | 所有者・抵当権・履歴などを確認 | 取得方法で異なる | 使える |
※手数料は制度改定で変更される場合があります。最新情報は法務局・登記情報提供サービスでご確認ください。
所有者事項証明書と「所有者事項」の違い
名前が似ているため混同しやすいのですが、証明書とオンライン情報は別物です。
| 項目 | 所有者事項証明書 | 登記情報提供サービスの所有者事項 |
|---|---|---|
| 提供形態 | 法務局が交付する証明書 | オンライン上の登記情報 |
| 所有者氏名・住所・持分 | 確認できる | 確認できる |
| 公的な証明書として提出 | 可能 | 不可 |
| 向いている場面 | 提出書類・正式な証明が必要 | 調査・下調べ・営業候補確認 |
不動産営業や調査の初期段階では、まずオンラインの所有者事項で確認し、正式な証明が必要になった段階で証明書を取得する、といった使い分けも考えられます。

所有者事項証明書はどんな場面で使う?
| 場面 | 所有者事項が役立つ理由 | 追加確認 |
|---|---|---|
| 土地・建物の所有者確認 | 現在の名義人を把握できる | 権利関係が必要なら全部事項 |
| 地主・空き家調査 | 営業対象の所有者確認の入口になる | 現住所や現況は別途確認 |
| 相続不動産の調査 | 登記上の現在名義を確認できる | 取得原因や相続時期は全部事項 |
| 行政・社内確認 | 所有者だけを証明したい場合に使える | 提出先が求める書類を確認 |
一方、金融機関の担保調査や不動産売買の権利調査では、所有者だけでなく抵当権・根抵当権・差押えなども重要なので、所有者事項証明書だけでは不足することが多いです。
複数物件の所有者を調べる業務では「1件ずつ請求」がボトルネックになります
地主営業、空き家調査、相続案件などで数十件・数百件の所有者を確認する場合、地番特定→証明書請求→転記を繰り返すと調査時間が増えます。不動産チェッカーでは、地図上から対象不動産と登記・所有者情報を確認し、営業候補の調査を効率化できます。
所有者調査でよくある注意点
登記上の住所=現在の住所とは限らない
所有者が転居した後に住所変更登記が反映されていない場合、登記上の住所と現在の居住地が異なることがあります。
所有者事項に抵当権が載っていない=抵当権なし、ではない
所有者事項証明書は抵当権を証明する書類ではありません。担保設定の有無は全部事項証明書等で確認します。
相続登記の前後で名義が変わる
相続が発生していても、登記記録上の所有者が更新されるまでは旧名義が表示されます。相続案件では登記情報だけで実態を断定しないことが重要です。
住所だけでは対象不動産を請求できないことがある
土地は地番、建物は家屋番号で特定します。住所しか分からない場合は、まず地番や家屋番号を確認します。
所有者事項証明書についてよくある質問
所有者事項証明書とは何ですか?
現在の所有者・共有者の住所、氏名または名称、持分など、所有者に関する事項に絞って証明する登記事項証明書です。
所有者事項証明書は誰でも取得できますか?
不動産の登記事項証明書は原則として誰でも交付請求できます。窓口請求では通常、本人確認書類や請求理由は必要ありません。
所有者事項証明書はオンラインで取得できますか?
登記・供託オンライン申請システムの不動産登記事項証明書のオンライン交付請求は、全部事項・現在事項・閉鎖事項が対象です。所有者だけをオンライン確認する場合は、登記情報提供サービスの「所有者事項」を利用できますが、証明書ではありません。
登記情報提供サービスの所有者事項はいくらですか?
2026年4月1日以降、1件140円です。確認用の登記情報で、法務局が交付する証明書ではありません。
所有者事項証明書で抵当権は確認できますか?
確認できません。抵当権・根抵当権などを調べる場合は全部事項証明書などを確認します。
所有者事項証明書と全部事項証明書はどう使い分けますか?
現在の所有者だけを確認したい場合は所有者事項証明書、取得原因・過去の履歴・抵当権など権利関係まで必要な場合は全部事項証明書が向いています。
まとめ|所有者だけか、権利関係まで必要かで選ぶ
- 所有者事項証明書は、現在の所有者・住所・共有持分に絞った証明書
- 抵当権・根抵当権・取得原因・受付年月日などは確認できない
- 所有者だけなら所有者事項証明書、権利関係までなら全部事項証明書
- 所有者事項証明書そのものは、法務局で書面請求する
- オンラインで所有者だけ確認するなら、登記情報提供サービスの「所有者事項」が使える
- 登記情報提供サービスの所有者事項は2026年4月以降1件140円だが、証明書ではない
- 複数物件の所有者調査では、地図・登記情報をまとめて扱うと効率化しやすい
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参考・出典
ご注意ください
本記事は一般的な情報提供を目的としています。証明書の種類・手数料・請求方法は変更される場合があります。提出先がある場合は、必要な証明書の種類を提出先や法務局へ確認してください。
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