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公開日:2026/07/29 更新日:2026/07/29

所有者事項証明書とは?記載内容と全部事項証明書との違い

所有者事項証明書は、不動産の所有者(共有者)の氏名・住所・持分のみを確認できる登記事項証明書です。この記事では、記載される内容、確認できない情報、全部事項証明書・一部事項証明書との違い、取得方法、実務での使い分けを解説します。

所有者事項証明書と不動産登記書類のイメージ
所有者事項証明書の記載内容や、全部事項証明書との違いを解説します。

所有者事項証明書とは

正式には「所有者事項証明書」と呼ばれ、法務局で取得できる登記事項証明書の一種です。

登記簿に記録されている情報のうち、所有者(共有の場合は共有者)の氏名・住所・持分だけに絞って証明する書類で、抵当権や過去の所有権移転履歴といった情報は含まれません。

所有者事項証明書と住宅模型を並べたイメージ
所有者事項証明書は、不動産の現在の所有者に関する情報を確認するための書類です。

なぜ所有者事項証明書が存在するのか

通常の登記簿謄本(全部事項証明書)には、抵当権、根抵当権、地上権、賃借権、過去の所有者の履歴など、多くの情報が含まれています。

一方で、「今の所有者が誰かだけ確認したい」という場面もあります。そのため、必要最低限の情報に絞った証明書として、所有者事項証明書が用意されています。

全部事項証明書に比べて取得コストを抑えられる場合がある点もメリットです。

所有者事項証明書でわかること

主に、以下の情報を確認できます。

  • 現在の所有者:個人または法人名義
  • 所有者住所:登記上の住所
  • 持分:共有の場合、各共有者の持分割合

確認できるのは、この「現在の名義人が誰か」という部分に限られます。取得原因(売買・相続・贈与など)や受付年月日、登記番号といった履歴情報は、所有者事項証明書には記載されません。

これらを確認したい場合は、全部事項証明書または現在事項証明書を取得する必要があります。

所有者事項証明書で確認できる氏名・住所・持分のイメージ
所有者事項証明書では、現在の所有者の氏名・住所と、共有の場合の持分を確認できます。

所有者事項証明書でわからないこと

所有者事項証明書は簡略版のため、次の情報は確認できません。

  • 抵当権:融資状況は分かりません。
  • 根抵当権:事業融資の状況は確認できません。
  • 差押え:権利関係の詳細は分かりません。
  • 地上権・賃借権:利用権は確認できません。
  • 取得原因・受付年月日:いつ、どのような理由で所有権を取得したかは分かりません。

営業や融資判断では、全部事項証明書が必要になるケースが多くあります。

所有者事項証明書と全部事項証明書・一部事項証明書の違い

所有者事項証明書と全部事項証明書は、確認できる情報の範囲が異なります。

項目 所有者事項証明書 全部事項証明書
現在の所有者確認
取得原因・受付年月日 ×
抵当権確認 ×
根抵当権確認 ×
権利関係確認 ×
情報量 少ない 多い
  • 所有者を知りたいだけ → 所有者事項証明書
  • 権利関係や取得の経緯まで確認したい → 全部事項証明書

なお、共有者が多い不動産で特定の共有者の持分だけを確認したい場合は、「一部事項証明書」という選択肢もあります。

一部事項証明書は、全部事項証明書から特定の権利者の部分だけを抜粋したもので、所有者事項証明書とは異なる書類です。目的に応じて使い分けましょう。

所有者事項証明書の取得方法

所有者事項証明書は、全部事項証明書と同様に法務局で取得できます。

  • 法務局窓口:申請書に地番・家屋番号を記入して請求します。
  • オンライン請求:登記・供託オンライン申請システムから請求でき、窓口より手数料を抑えられる場合があります。
  • 郵送請求:窓口に行けない場合に利用されます。

複数の不動産について所有者だけをまとめて確認したい場合、1件ずつ請求すると手間がかかります。大量の不動産を継続的に調査する場合は、謄本取得スポットのような一括依頼型サービスの利用も検討できます。

全部事項証明書で抵当権などの権利情報を確認するイメージ
抵当権や取得原因などの詳細な権利関係を確認する場合は、全部事項証明書が必要です。

所有者事項証明書はどんな時に使う?

  • 不動産所有者調査:所有者を確認したい場合
  • 相続案件調査:相続人調査の入口として利用
  • 空き家調査:所有者確認に利用
  • 営業先選定:地主や不動産オーナー調査
  • 行政手続き:各種申請資料として利用

不動産営業で所有者事項が重要な理由

地主営業

地主営業では、まず所有者を把握する必要があります。大規模土地、駐車場、遊休地などを見つけても、所有者が分からなければ営業できません。

相続営業

相続発生後の不動産調査では、所有者確認が出発点になります。

空き家営業

空き家の活用提案や売却提案を行う際にも利用されます。

士業との連携

司法書士や税理士との連携案件でも活用されます。

所有者事項証明書を取得できる法務局のイメージ
所有者事項証明書は、法務局の窓口やオンライン、郵送で請求できます。

金融機関ではどう活用される?

金融機関では、担保確認、顧客調査、資産背景の確認などで利用されます。

ただし、融資判断では抵当権情報も重要なため、全部事項証明書を取得するケースが一般的です。

所有者事項証明書調査でよくある失敗

所有者事項だけで判断する

所有者は分かっても、権利関係は分かりません。

抵当権がないと思い込む

所有者事項証明書に記載されていないだけで、実際には抵当権が設定されている場合があります。確認するには全部事項証明書が必要です。

登記住所を現住所だと思い込む

引越し後に住所変更登記が行われていないケースもあります。

相続登記未了を見落とす

登記情報と実際の状況が異なる場合があります。

不動産チェッカーとの関連性

不動産営業では、「土地を発見 → 所有者を確認 → 営業対象として整理 → 提案活動」という流れになります。所有者情報は営業活動のスタート地点ともいえる情報です。

不動産チェッカーでは、地図上から土地や建物の情報を確認しながら、所有者情報や登記情報を組み合わせて把握できます。

1件ずつ法務局で所有者事項証明書を取得して確認する作業を減らし、営業エリア内の候補を効率的に絞り込みたい場合に活用できます。

また、複数件の登記簿PDFをまとめてExcel化したい場合は、無料PDF変換サービス(1回100件まで)も利用できます。100件を超える規模を継続的に扱う場合は、謄本取得スポットのような一括依頼型サービスが向いています。

パソコンから登記事項証明書をオンライン請求するイメージ
オンライン請求を利用すると、法務局へ出向かずに証明書を請求できます。

よくある質問

Q. 所有者事項証明書は誰でも取得できますか?

法務局で取得可能です。オンライン請求や郵送請求もできます。

Q. 所有者事項証明書で住所は分かりますか?

登記上の住所は確認できます。ただし、住所変更登記が行われていない場合、現住所と異なることがあります。

Q. 抵当権は確認できますか?

できません。抵当権や根抵当権を確認したい場合は、全部事項証明書が必要です。

Q. 取得原因(売買・相続など)や受付年月日は分かりますか?

分かりません。所有者事項証明書は氏名・住所・持分のみを証明するもので、取得原因や受付年月日は全部事項証明書・現在事項証明書に記載されます。

Q. 所有者事項証明書だけで営業できますか?

所有者確認はできますが、権利関係まで踏まえた提案をしたい場合は、全部事項証明書での追加調査が必要です。

まとめ

所有者事項証明書とは、不動産の所有者(氏名・住所・持分)だけを確認するための登記事項証明書です。

全部事項証明書に比べると情報量は少なく、取得原因・受付年月日・抵当権などの権利関係は記載されませんが、所有者調査、地主営業、相続案件調査、空き家調査などの入口として活用されています。

不動産営業や金融機関の調査業務では、「所有者事項証明書で所有者を確認し、必要に応じて全部事項証明書で権利関係を確認する」という使い分けを理解しておくとよいでしょう。

不動産チェッカー無料PDF変換サービスを組み合わせれば、こうした調査作業を効率化しやすくなります。

ご注意ください

本記事は一般的な情報提供を目的としています。具体的な登記手続きや権利関係の確認については、法務局や司法書士などの専門家へご相談ください。

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