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公開日:2026/07/30 更新日:2026/07/30

履歴事項全部証明書とは?現在事項証明書との違い・取得方法・手数料をわかりやすく解説【2026年7月時点】

履歴事項全部証明書の記載範囲、現在事項証明書・閉鎖事項証明書との違い、取得方法ごとの手数料と所要時間、取得しただけでは分からない情報まで整理します。

履歴事項全部証明書の内容と取得方法を確認するイメージ
履歴事項全部証明書は、会社の現在の登記内容と直近数年の変更履歴を確認できる代表的な証明書です

履歴事項全部証明書とは、法務局が発行する会社・法人の登記事項証明書のうち、現在有効な登記内容に加えて、請求日の3年前の日が属する年の1月1日以降に抹消・変更された登記事項までを記載したものです。

「登記簿謄本を提出してください」と言われた場合、提出先から特に指定がなければ、履歴事項全部証明書を用意すれば足りるケースが多くあります。

手数料は、法務局の窓口・郵送による書面請求で1通600円、オンライン請求では窓口受取490円・郵送受取520円です。

この記事でわかること

  • 履歴事項全部証明書と現在事項証明書・閉鎖事項証明書の違い
  • 履歴として記載される期間の正確な考え方
  • 窓口・郵送・オンライン請求の手数料と所要時間
  • 履歴事項全部証明書だけでは分からない情報
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会社の現在情報と変更履歴を確認するイメージ
現在の登記内容と、一定期間内に変更・抹消された事項を一つの証明書で確認できます

結論:まず押さえるべき3点

  1. 迷ったら履歴事項全部証明書を取る: 現在の登記内容と直近数年の変更履歴の両方が載るため、提出先の指定がない場合の標準的な選択肢です。
  2. 手数料は請求方法で異なる: 窓口・郵送の書面請求は600円、オンライン請求は窓口受取490円・郵送受取520円です。
  3. 「履歴」は3年分ちょうどではない: 請求日の3年前の日が属する年の1月1日が起点となるため、実際の対象期間は3年強から4年弱です。

履歴事項全部証明書とは何か

登記事項証明書の一種

法務局には、会社・法人の商号、本店所在地、目的、役員、資本金などの情報が登記されています。その内容を法務局が公的に証明した書面が「登記事項証明書」であり、履歴事項全部証明書はその一形式です。

かつて登記簿が紙で管理されていた時代の呼び名が「登記簿謄本」で、コンピュータ化された現在の正式名称が「登記事項証明書」です。実務では今も「謄本」「登記簿謄本」と呼ばれることが多くあります。

「履歴」がカバーする期間

履歴事項全部証明書には、次の2種類の情報が記載されます。

  • 現在効力を有する登記事項
  • 請求日の3年前の日が属する年の1月1日以降に、抹消または変更された登記事項

例えば2026年7月に請求した場合、履歴の起点は2023年1月1日です。2022年12月に退任した役員の記録は、通常の履歴事項全部証明書には載りません。

「過去3年分」と説明されることがありますが、厳密には年初まで遡るため、請求時期によって対象期間が変わります。

「全部」と「一部」

証明書には、記載可能な登記事項をすべて載せる「全部証明書」と、株式・資本区や役員区などの区を指定する「一部証明書」があります。実務で一般的に使われるのは全部証明書です。

履歴事項証明書と現在事項証明書などを比較するイメージ
必要な情報の範囲に応じて、履歴事項・現在事項・閉鎖事項・代表者事項を使い分けます

4種類の登記事項証明書の使い分け

種類 記載される範囲 主に使う場面
履歴事項全部証明書 現在有効な登記事項+一定期間内に抹消・変更された事項 融資、許認可、補助金、取引先への提出など
現在事項全部証明書 現在効力を有する登記事項のみ 現在の状態だけを示せば足りる場合
閉鎖事項全部証明書 閉鎖された登記記録や、通常の履歴事項証明書より前の事項 沿革調査、M&A、訴訟、相続など
代表者事項証明書 代表者の資格に関する事項 代表権の証明だけで足りる場合

現在の姿だけなら現在事項、直近の変遷も確認するなら履歴事項、さらに過去へ遡るなら閉鎖事項、代表権だけなら代表者事項です。

よくある判断ミス

設立が古い会社や、商号変更・本店移転を繰り返している会社では、履歴事項全部証明書だけでは沿革を追えない場合があります。管轄外へ本店移転した場合、移転前の登記記録は旧管轄側で閉鎖されます。

履歴事項全部証明書に記載される内容

記載欄 内容 実務上の注目点
会社法人等番号 法務局が付す12桁の番号 国税庁の13桁の法人番号とは別物
商号 会社名 変更履歴があれば旧商号に下線が引かれる
本店 本店所在地 移転履歴を確認できる
会社成立の年月日 設立日 社歴の確認
目的 定款上の事業目的 実際の事業内容とは限らない
資本金の額 現在および一定期間内の資本金 増資・減資の履歴が見える
役員に関する事項 取締役、監査役、代表取締役など 就任・退任や経営体制の変化を確認
支店 登記されている支店所在地 未登記の営業所・店舗は載らない

抹消・変更された事項には下線が引かれます。下線が引かれた行を時系列で追うと、増資、役員変更、本店移転、商号変更など、直近数年の変化を確認できます。

会社登記の記載内容を確認するイメージ
商号・本店・役員・資本金などの欄と、下線が引かれた変更履歴を順番に確認します

取得方法と手数料の比較

請求方法 手数料(1通) 受取までの目安 特徴
法務局の窓口 600円 即日 急ぎに向いている
郵送請求 600円 数日〜1週間程度 収入印紙と返信用封筒を同封
オンライン請求・窓口受取 490円 翌業務日以降 最安
オンライン請求・郵送受取 520円 数日 外出不要

1通の枚数が50枚を超える場合は、超える50枚までごとに100円が加算されます。通数が多い場合ほど、オンライン請求の差額が効いてきます。

オンライン請求の手続き

オンライン請求は、法務省の登記・供託オンライン申請システムから行います。2026年2月2日には、ブラウザで利用できる旧「かんたん証明書請求」が「かんたん登記・供託申請」へリニューアルされました。

2026年8月3日からは利用時間が拡大され、平日は23時まで、土日祝日も8時30分から18時まで利用可能となる予定です。ただし、17時15分以降の送信は翌業務日の受付扱いとなります。

誰でも取得できる

会社・法人の登記事項証明書は、利害関係がなくても誰でも取得できます。また、登記記録はオンライン化されているため、原則として全国どの法務局でも請求できます。

履歴事項全部証明書の請求方法と手数料を比較するイメージ
急ぎなら窓口、費用を抑えるならオンライン請求というように使い分けます

提出用の証明書と調査用の登記情報は別物

登記内容を確認するだけなら、一般財団法人民事法務協会が運営する「登記情報提供サービス」を利用する方法もあります。

比較項目 履歴事項全部証明書 登記情報提供サービス
形式 紙の証明書 PDF・画面閲覧
料金 600円/490〜520円 330円/件
登記官の証明文 あり なし
公的機関・金融機関への提出 可能 不可
取得スピード 即日〜数日 即時

提出用なら履歴事項全部証明書、内容確認だけなら登記情報提供サービスと考えると分かりやすくなります。

提出用の証明書と調査用の登記情報を比較するイメージ
公的な提出には証明書が必要ですが、調査だけなら登記情報提供サービスの方が低コストです

履歴事項全部証明書が必要になる主な場面

  • 法人設立後の税務署・都道府県・市区町村への届出
  • 社会保険・労働保険の各種手続き
  • 法人名義の銀行口座開設
  • 金融機関への融資申込
  • 建設業許可・宅建業免許などの許認可申請
  • 補助金・助成金の申請
  • 不動産の売買・賃貸借契約
  • 入札参加資格の申請
  • 新規取引先の与信審査・実在性確認
  • M&A・事業承継の検討

有効期限はあるのか

法律上、履歴事項全部証明書そのものに有効期限の定めはありません。ただし提出先の多くが「発行後3か月以内」を条件としており、金融機関や許認可の手続きでは1か月以内を求められることもあります。

登記内容が変わっていなくても、発行日が古いだけで再取得を求められることがあります。必要な手続きの時期に合わせて取得するのが安全です。

よくある誤解と質問

Q. 「登記簿謄本を提出してください」と言われました。何を取ればよいですか?

指定がなければ履歴事項全部証明書で対応できるケースが多いです。ただし、提出先によっては現在事項証明書や代表者事項証明書で足りるため、迷った場合は提出先へ確認してください。

Q. 「過去3年分の履歴が載る」という説明は正確ですか?

厳密には、請求日の3年前の日が属する年の1月1日以降です。2026年7月に請求した場合は2023年1月1日が起点になります。

Q. 会社法人等番号と法人番号は同じものですか?

異なります。会社法人等番号は法務局が付す12桁の番号、法人番号は国税庁が付す13桁の番号です。

Q. 自社以外の会社の証明書を取得してもよいですか?

問題ありません。会社・法人の登記情報は公開情報であり、誰でも取得できます。

Q. 登記情報提供サービスのPDFを提出できますか?

原則として提出用の証明書には使えません。登記官の証明文がなく、公的な証明書としての効力がないためです。

Q. 20年前の役員構成を調べるにはどうすればよいですか?

履歴事項全部証明書だけでは足りないため、閉鎖事項全部証明書を取得します。管轄外への本店移転がある場合は、旧管轄の記録も確認が必要です。

履歴事項全部証明書だけでは分からないこと

履歴事項全部証明書は、その会社が法務局にどう登録されているかを証明する書類です。反対に、登記されていない情報は分かりません。

  • 会社がどこにどのような不動産を所有しているか
  • 所有不動産に 抵当権 根抵当権 が設定されているか
  • 担保余力がどの程度残っているか
  • 代表者個人が所有する不動産と担保設定の状況
  • 登記されていない営業所・倉庫・店舗の実態
  • 事業目的欄に書かれた事業を実際に営んでいるか

与信審査や新規開拓では、会社の登記情報と不動産の登記情報を組み合わせることで、初めて見えてくる情報があります。

例えば、資本金は小さくても代表者名義で複数の収益不動産を保有している、本店建物に他行の根抵当権が設定されているといった情報は、商業登記だけでは確認できません。

不動産側の情報も確認したい場合

不動産チェッカー では、地図上から不動産の登記情報、所有者情報、担保設定の状況などを確認できます。法人の所有不動産や担保状況から、営業先・融資先を検討する用途にも活用できます。

取得済みの登記情報PDFを一覧化する場合は、 無料PDF変換サービス を利用できます。継続的に大量の登記情報を扱う場合は、謄本取得スポットも選択肢です。

法人登記情報と不動産登記情報を組み合わせて確認するイメージ
法人登記と不動産登記を組み合わせると、所有不動産や担保状況まで含めた調査が可能になります

まとめ

  • 履歴事項全部証明書は、現在の登記内容と一定期間内の変更履歴を証明する書類
  • 提出先の指定がなければ、標準的な選択肢になりやすい
  • 手数料は窓口・郵送600円、オンライン490〜520円
  • 3年より前の履歴を確認するには閉鎖事項証明書が必要
  • 確認だけなら登記情報提供サービス、提出用なら証明書
  • 会社の登記情報だけでは、所有不動産や担保設定は分からない

参考・出典

  • 法務省「登記手数料について」
  • 法務局「主な手数料一覧【令和7年4月1日〜】」
  • 登記・供託オンライン申請システムの案内
  • 登記情報提供サービス「利用料金の改定について」

ご注意ください

本記事は2026年7月30日時点の公開情報をもとに作成しています。手数料や制度の運用は改定される場合があるため、実際の手続きでは法務局および各公式サイトの最新情報をご確認ください。個別の法的判断が必要な事項については、司法書士などの専門家へご相談ください。

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