不動産営業営業エリア選定
公開日:2026/10/14更新日:2026/10/16

不動産の営業エリアはどう決める?候補物件・移動時間・調査コストで比較する方法

不動産の営業エリアは、自社が提案できる物件があり、担当者が継続して回れる地域から選びます。空き地の仕入れを例に、3地域の候補数・移動時間・調査費用を比べ、少数で営業を試すまでの手順を順番に説明します。

30秒でわかる:営業エリアを選ぶ順番

  1. 探す物件を決める:自社が売却・仕入れなどの提案をできる物件に絞る。
  2. 地域を比べる:候補の数、移動時間、調査にかかる費用を並べる。
  3. 少数で試す:現地や所有者を確認し、営業の反応を見て範囲を広げる。
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地図上のA・B・C地域を、候補数・移動時間・調査コストで比較する営業エリア選定のイメージ
地図上のA・B・C地域を、候補数・移動時間・調査コストで比較する営業エリア選定のイメージ

不動産の営業エリアとは?まず「誰に何を提案するか」を決める

不動産の営業エリアとは、営業先となる物件や所有者を探し、継続してアプローチする地域です。「どの街なら売れそうか」と考える前に、自社がどのような物件を扱い、何を提案できるかを決めます。

たとえば、土地の仕入れを増やしたい会社なら、探す対象は仕入れ条件に合う土地です。管理物件を増やしたい会社なら、賃貸物件の所有者が対象になります。目的が違えば、優先する地域も変わります。

この記事では、「空き地の仕入れ候補を増やしたい不動産会社」を例に、3地域から営業エリアを選ぶ流れを見ていきます。

具体例:候補が90件の地域と60件の地域、どちらを選ぶ?

担当者が週に1回、半日を使って現地確認に出るとします。候補地域はA・B・Cの3つです。自社の仕入れ条件に合う土地を同じ方法で探すと、次のような違いが見つかりました。

営業エリアを選ぶための架空の比較例
比較することA地域B地域C地域
条件に合う土地80筆60筆90筆
拠点からの往復50分30分70分
初回の調査数20筆20筆20筆
初回の社内作業コスト15,000円15,000円15,000円

※数値はすべて説明用の仮定です。各地域の比較範囲は5km²、抽出条件とデータの時点は同じとします。「筆」は登記上の土地を数える単位で、1筆が1つの営業先とは限りません。

移動の負担を抑えたいなら、B地域から試す

候補数だけを見ると、C地域が一番多くなっています。しかし、往復に70分かかるため、B地域より移動に40分多く使います。半日という限られた時間で活動するなら、往復30分のB地域を先に調べる選択が考えられます。

この例では、調査する件数と1件当たりの作業時間をそろえているため、社内作業コストは3地域とも同じです。今回の担当者が継続して通いやすいことを優先し、B地域から試すという判断です。地域内の巡回経路や、実際に仕入れ可能な土地があるかは、この後に確認します。

一方、C地域に具体的な買い手の相談があるなど、自社が提案を進めやすい事情があれば、C地域を優先する場合もあります。大切なのは、候補数の順位だけで決めず、自社の営業条件に合う理由を説明できることです。

架空の3地域の比較。Aは候補80筆・往復50分、Bは60筆・30分、Cは90筆・70分。20筆を調べる社内作業コストは各15,000円。
同じ20筆を調べる例。社内作業コストは同条件で計算し、取得費や交通費などは別に確認します。

営業エリアは「対象物件・移動時間・調査費用」の3つで比べる

先ほどの例を、自社の営業に当てはめてみましょう。最初に確認するのは次の3つです。

1.自社が提案できる物件があるか

空き地の仕入れなら、面積や用途地域など、自社の仕入れ条件に合う土地があるかを見ます。候補が多くても、扱えない面積や用途の土地ばかりでは、営業先として優先しにくいためです。

条件は、最初から増やしすぎず、「土地面積200㎡以上」など必要な項目から決めます。そのうえで現地の利用状況や接道、所有者などを調べ、具体的な提案ができるかを確認します。

2.担当者が継続して回れるか

拠点から地域への往復時間と、地域内で物件を回る時間を分けて考えます。地図上で近くても、川や線路、道路の混雑によって移動に時間がかかる場合があります。

実際に訪問する曜日・時間帯・移動手段で経路を確認し、担当者の予定に収まるかを見ます。また、物件の所在地と所有者の住所は異なる場合があります。物件の現地確認と、所有者への訪問は別に計画すると、移動時間の見積もり違いを減らせます。

3.調査費用と作業時間が予算に収まるか

調査では、登記情報などを取得する費用と、担当者が確認・整理する時間がかかります。外部に依頼する場合は依頼費、現地へ出る場合は交通費なども加わります。見積もりを作るときは、これらを分けて記録しましょう。

先ほどの表の15,000円は、20筆×1筆15分÷60×仮の時間単価3,000円で計算した社内作業コストです。5時間分の確認・整理作業を想定しています。登記情報の取得費、外部への依頼費、交通費、現地確認・営業の時間は含みません。トーラスの料金を示す数字でもありません。

地域ごとの調査費用を比較するときは、まず同じ件数・同じ作業範囲で見積もります。複数筆や共同所有の確認などで作業量に差が出る場合は、その理由も書いておくと比較しやすくなります。

実際にはどう調べる?候補抽出から営業までの4ステップ

比較する項目が決まったら、地域の候補を調べます。空き地の仕入れ営業なら、次の順番で進めます。

ステップ1:地域の範囲と、探す土地の条件を決める

「A市全体」「B駅の周辺」「拠点から車で通える町丁目」など、比較する範囲を地図上で決めます。続いて、面積や用途地域など、各地域で共通して使う条件を記録します。

地域の広さが大きく違うと、広い地域ほど候補が多く見えることがあります。最初はなるべく同程度の範囲で比較すると、件数の違いを把握しやすくなります。

ステップ2:同じ条件で土地の候補を数える

地図・物件情報・既存リストなどを使い、条件に合う土地を地域別に整理します。利用するデータは種類と更新時点を確認し、不明な項目は「未確認」として残します。

ここでは、まだ営業先を確定させる必要はありません。候補の分布、拠点からの経路、少数を調べるための費用を並べ、最初に試す地域を絞ります。

ステップ3:少数の候補で、現地と所有者を確認する

選んだ地域から、たとえば20筆を調べます。地番を確認して必要な登記情報を取得し、所有者や権利関係を整理します。現地では、本当に空き地なのか、どのように利用されているかを確認します。

土地が複数筆に分かれていたり、同じ所有者が複数の土地を持っていたりすることもあります。調査後は、同じ所有者への重複した連絡を避けられるよう、営業先としてまとめます。

ステップ4:営業を試し、反応と負担を記録する

調査した内容に応じて、郵送・電話・訪問などの方法を選びます。期間と方法を決め、実際に連絡した営業先の数、相談につながった数、使った時間と費用を記録します。

20筆という件数は、作業を小さく始めるための例です。地域全体の成果を判定できる基準ではありません。候補が提案対象から外れる理由や、反応が得られない理由を確認し、条件・伝え方・地域の範囲を見直します。

試して問題がなければ、同じ地域で調査対象を増やすか、次の地域へ広げます。最初からすべての候補を調べるより、自社で続けられる進め方を確認しやすくなります。

所有者の調べ方は土地の所有者を調べる方法、調査結果のまとめ方は不動産営業リストの作り方で詳しく説明しています。

比較で間違えやすいことは、この3つ

ここまでの流れで営業エリアを絞ったら、最後に次の点を確認してください。

  • 土地の数を、所有者の数と混同しない:土地80筆が見つかっても、営業先が80人いるとは限りません。複数筆で1つの敷地になっている場合や、同じ所有者の土地が含まれる場合があります。
  • データ上の条件だけで、空き地と断定しない:建物登記が確認できない土地でも、現地が空き地とは限りません。利用状況は現地や必要な資料で確認します。
  • 候補数を、売却希望者数として扱わない:条件に合う物件があることと、所有者に売却の意向があることは別です。成約しやすさも、候補数だけでは判断できません。
比較する前にそろえる項目は、対象条件、地域の境界、データの時点、集計単位の4つ。
比較表を作るときは、同じ条件・同じ数え方で調べたかを確認しましょう。

また、登記簿等から取得する所有者情報のうち、個人を識別できるものは個人情報に当たります。公開情報であっても利用目的を特定し、社内の管理・連絡ルールに沿って扱いましょう。[参考:個人情報保護委員会のFAQ]

候補探しと所有者の確認を進めるには

営業エリアの比較には、各地域の候補を同じ条件で探し、必要な情報を一覧にする作業が必要です。不動産チェッカーは、地図から候補を探し、条件を絞り、所有者・登記の確認や営業リストづくりへつなげるサービスです。

「どの地域から調べるか」「自社の仕入れ条件をどう設定するか」で迷う場合は、候補地域と探したい物件をお知らせください。利用できる条件やデータの範囲、必要な機能を確認しながら、進め方をご相談いただけます。

相談時は、次の4点を伝えると調査範囲を整理しやすくなります。

  • 目的:空き地の仕入れ候補を増やしたい、など。
  • 地域:比較したい市区町村・沿線・町丁目。
  • 物件の条件:土地面積、用途地域など、決まっている範囲。
  • 運用:調査する担当者、営業方法、予算・希望時期。

不動産チェッカーの機能を見る

営業エリア選定でよくある質問

営業エリアを決めるとき、最初にすることは何ですか?

自社が探す物件と、提案する内容を決めます。その条件に合う物件がある地域を、移動時間と調査費用も含めて比較します。

候補物件が一番多い地域を選べばよいですか?

候補数に加え、自社で扱える物件か、担当者が継続して回れるか、調査費用が予算に収まるかを確認します。候補数だけでは売却意向や成約しやすさは判断できません。

空き地・築古物件・法人保有物件は、一緒に数えてよいですか?

営業目的ごとに分けて数えます。空き地と法人保有物件の両方に当てはまるものもあるため、単純に足すと重複する場合があります。

土地の「筆数」と所有者数は違いますか?

違います。筆は登記上の土地を数える単位です。1つの敷地が複数筆に分かれていたり、同じ所有者が複数の土地を持っていたりするため、営業先の数は別に整理します。

最初からすべての候補の登記を取る必要がありますか?

最初は少数の候補を調べ、対象物件として適切か、どれだけ時間と費用がかかるかを確認する方法があります。その結果を見て調査範囲を広げます。

まとめ:提案できる物件があり、続けて回れる地域から始める

不動産の営業エリアは、まず探す物件を決め、候補数・移動時間・調査費用を比較して選びます。例に挙げたB地域のように、候補数が最大でなくても、自社の活動条件に合う地域から始める選択があります。

最初は少数の候補で現地・所有者を確認し、営業を試しましょう。そこで分かった反応と作業の負担をもとに、同じ地域で続けるか、条件を変えるか、別の地域へ広げるかを決めていきます。

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どの地域から営業を始めるか、一緒に整理しませんか?

候補地域と探したい物件をお知らせください。条件の決め方、候補の探し方、所有者の確認まで、自社の営業に合う進め方をご相談いただけます。

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参考情報

参考情報の確認日:2026年10月16日。地域、件数、移動時間、作業コストは、比較方法を説明するための架空の設定です。

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