大量取得は「取得→整理→データ化」まで一連で考える

結論として、登記簿を100件・1,000件単位で扱う場合は「取得できるか」だけでなく、対象リストの整備、地番確認、PDF保存、ファイル整理、Excelデータ化まで含めて業務設計する必要があります。
1件〜少数の登記簿をオンラインで取得する方法は、既存の登記簿謄本をオンラインで取得する方法で解説しています。本記事ではそこを繰り返さず、100件・1,000件規模ですでに調査対象が決まっている大量取得に検索意図を限定します。自社取得・取得代行・取得+データ化の違いを整理し、謄本スポット取得やPDFデータ化へ直接つながる大量調査の実務を解説します。
この記事でわかること
- 100件・1,000件の登記簿取得で発生する作業
- 登記事項証明書を自社で大量取得する場合の費用イメージ
- 自社取得・取得代行・データ化まで依頼する方法の違い
- 大量の登記PDFをExcelへ変換する意味
- トーラスの謄本スポット取得・無料PDFデータ化の使い分け
登記簿は大量にまとめて取得できる?
オンラインを利用すれば、法務局へ毎回出向かずに登記事項証明書を請求できます。ただし、法務局の「かんたん登記・供託申請」は、対象不動産を特定して証明書を請求する仕組みであり、営業用の大量リストを自動で作るサービスではありません。
2026年4月1日以降、不動産の登記事項証明書は、書面請求600円、オンライン請求・送付520円、オンライン請求・窓口交付490円です。
仮にオンライン請求・送付で100通なら手数料だけで52,000円、1,000通なら520,000円が目安になります。実際には1物件に土地・建物が複数存在する場合もあり、必要通数は「物件数」と一致しないことがあります。
件数を見積もるときは「案件数」ではなく「請求通数」で確認
1案件に土地2筆+建物1棟がある場合など、必要な登記情報が複数になることがあります。大量案件では、見積もり前に対象リストを地番・家屋番号単位で整理することが重要です。
登記簿を大量取得するときに発生する4つの課題
地番・家屋番号の確認
登記事項証明書の請求では、土地は地番、建物は家屋番号で特定します。住所リストしかない場合は、取得前に対象不動産を正しく特定する作業が必要です。
1件ずつ取得する作業
対象が100件、1,000件と増えると、請求情報の入力、手数料納付、取得状況確認、ファイル・証明書の受領といった反復作業が積み上がります。
取得費用
法務局等へ支払う実費は件数に比例します。大量案件では「何件必要なのか」「全部事項が必要なのか」「所有者確認だけでよいのか」を先に整理しないと、不要な取得費用が発生する可能性があります。
取得後のPDF整理・転記
営業・調査業務では、PDFを取得した時点で作業が終わらないことが多くあります。所有者、所在地、地番、抵当権者、設定時期等を一覧化したい場合、PDFを開いてExcelへ転記する工程が残ります。

100件を手作業で取得するとどうなる?
大量取得の負担は、次のような工程に分解すると分かりやすくなります。
大量取得の基本工程
対象リスト整理 → 地番・家屋番号確認 → 登記請求 → PDF・証明書受領 → ファイル名整理 → 必要項目抽出 → Excel転記 → 社内利用
例えば1件当たり取得前後の事務作業に数分ずつかかるだけでも、100件・1,000件では大きな工数になります。さらに入力ミス、物件の取り違え、重複取得などの確認作業も必要です。
そのため、件数が多いほど「1件の操作を速くする」より、工程そのものをまとめて外出し・自動化できないかを検討する価値が高くなります。
登記簿を大量取得する3つの方法
方法1 自社でオンライン取得する
件数が限定され、社内で対象地番が整理されている場合は、自社でオンライン請求する方法がシンプルです。取得方法やデータ管理を自社ルールで統一できます。
方法2 取得代行サービスを利用する
取得件数が多い、社内人員を調査作業へ割きたくない、といった場合は、対象リストを渡して取得作業を代行してもらう方法があります。
方法3 取得+データ化までまとめて依頼する
取得した謄本を営業・審査・分析に使う場合は、PDF納品だけでなく、必要項目をExcel等へデータ化するところまで依頼すると、その後の手入力を減らせます。
方法別に比較|自社取得・取得代行・データ化
| 比較項目 | 自社で取得 | 取得代行 | 取得+データ化 |
|---|---|---|---|
| 向く件数 | 少数〜中規模 | 中〜大量 | 中〜大量 |
| 対象リスト準備 | 必要 | 必要 | 必要 |
| 取得操作 | 自社 | 委託先 | 委託先 |
| PDF整理 | 自社 | 納品方法による | 委託範囲に含めやすい |
| Excel転記 | 自社 | 別工程の場合あり | データ納品可能 |
| 向く用途 | 単発・少数調査 | 大量取得の省力化 | 営業・分析・審査で再利用 |
価格だけでなく、社内工数と納品後の利用方法まで含めて比較することが重要です。
大量取得では「取得後のデータ化」まで考える
1,000件の登記PDFが納品されても、最終的に営業リストや分析表を作るのであれば、PDFを開いて必要項目を抽出する作業が残ります。
営業利用でよく整理する項目
- 所有者氏名・住所
- 物件所在地・地番・家屋番号
- 登記原因・日付
- 抵当権者・根抵当権者
- 債権額・極度額
- 設定時期
必要項目を構造化してExcelへ入れておけば、検索、並び替え、重複確認、営業条件での絞り込みが容易になります。

すでに登記簿PDFを持っている場合は、まずExcel化
トーラスでは、登記簿PDFをExcelデータへ変換する無料サービスを提供しています。1回100件までのPDFをデータ化できます。
トーラスの謄本スポット取得でできること
調査対象がすでに決まっており、まとまった件数の登記情報が必要な場合は、トーラスの謄本取得スポットについてご相談いただけます。
まとまった件数の登記取得
自社で1件ずつ請求する代わりに、対象リストをもとに必要な登記取得をまとめてご相談いただけます。
Excel等で納品
利用目的に応じて、取得した情報をデータとして扱いやすい形で納品する方法を相談できます。
大量案件への対応
数百件・数千件規模など、自社での反復作業が大きくなる案件では、対象件数・対象エリア・必要項目を整理したうえで取得方法を設計します。
PDFデータ化との組み合わせ
「取得だけでなく、営業・分析用Excelまで欲しい」という場合は、取得後のデータ化まで含めて業務を考えると社内作業を減らしやすくなります。

不動産チェッカーが向いているのは「対象を探す段階」
謄本スポット取得と不動産チェッカーは、利用する場面が異なります。
| 状況 | 比較しやすいサービス |
|---|---|
| 取得対象の地番・物件がすでに決まっている | 謄本スポット取得・取得代行 |
| 手元に登記簿PDFが大量にある | PDFデータ化 |
| そもそもどの不動産を調べるか決まっていない | 不動産チェッカー |
不動産チェッカーは、地図・物件条件・相続・融資・築年数等から調査対象そのものを探す用途で使います。すでに1,000件の対象が決まっている場合は、候補発見ツールを挟まず大量取得の方法を検討する方が合理的な場合があります。

よくある質問
登記事項証明書を100件取得すると手数料はいくらですか?
2026年4月1日以降、オンライン請求・送付は1通520円なので、100通なら手数料だけで52,000円が目安です。ただし土地・建物の通数や追加枚数によって実際の費用は変わります。
1,000件を自社で取得することはできますか?
オンライン請求自体は利用できますが、大量案件では地番・家屋番号の確認、反復請求、PDF整理、転記などの事務作業が大きくなるため、取得代行やデータ化を含めた比較が有効です。
登記情報提供サービスのPDFと登記事項証明書は同じですか?
同じではありません。登記情報提供サービスは登記情報をオンラインで確認するサービスで、登記事項証明書そのものではありません。正式な証明書が必要な用途では法務局への交付請求を利用します。
謄本スポット取得と不動産チェッカーはどう使い分けますか?
対象物件がすでに決まっている大量取得は謄本スポット取得、どの物件を調査するかを条件から探す段階では不動産チェッカーが適しています。
まとめ|大量取得は「登記を取る」だけでなく「使えるデータにする」まで設計する
登記簿の大量取得では、取得手数料だけでなく、対象特定、反復請求、PDF整理、Excel転記まで含めて業務負担を考える必要があります。
- 少数・単発:自社でオンライン取得
- 大量の対象が確定済み:取得代行・謄本スポット取得
- 大量PDFを営業・分析へ利用:Excelデータ化
- 対象物件自体を探したい:不動産チェッカー
100件・1,000件規模の登記取得をまとめて相談。
対象件数、エリア、必要な登記情報、Excel等の納品形式を整理し、取得・データ化の方法をご案内します。