不動産営業 売買・測量実務
公開日:2026/08/12 更新日:2026/08/13

地積測量図がない・古いときはどうする?確定測量との違い・費用・売買時の対応を解説

地積測量図が存在しない土地や、古い図面しか残っていない土地は珍しくありません。重要なのは、図面の有無だけで判断せず、公図・現地・隣接地資料を確認し、必要に応じて現況測量や確定測量へ進むことです。

地積測量図がない土地について公図や測量資料を確認する不動産実務のイメージ
地積測量図がない・古い場合は、公図・現地・隣接地資料を確認し、必要に応じて測量で補完します

結論: 地積測量図がない、または古い場合でも、それだけで取引できないわけではありません。

まず 公図 登記簿謄本 、現地の境界標、隣接地の地積測量図などを確認し、売買・建築・融資の目的に応じて現況測量または確定測量を検討します。

地積測量図そのものの基礎は 地積測量図とは? 、古い図面の精度については 作成年代別の精度解説 で詳しく紹介しています。本記事では「図面がない・古いときに実務でどう進めるか」に絞ります。

この記事でわかること

  • 地積測量図が存在しない土地がある理由
  • 図面がない場合の調査順序
  • 現況測量と確定測量の違い
  • 確定測量の費用・期間の目安
  • 売買・融資・土地活用で測量を検討すべきケース
  • 境界トラブルを避けるための実務ポイント

地積測量図がない土地は珍しくない

地積測量図は、分筆や地積更正など、図面提出を伴う登記が行われた土地に備え付けられる資料です。

そのため、古くから一筆のまま所有されている土地、相続は繰り返されていても分筆されていない土地、地積更正が行われていない土地では、地積測量図が存在しないことがあります。

図面がない=問題物件ではない

図面がないこと自体は珍しくありません。重要なのは、売買・建築・融資に必要な精度を別の資料や測量で補えるかどうかです。

地積測量図がない場合の基本的な調査順序

  1. 公図 で対象地と隣接地の位置関係を確認する
  2. 登記簿謄本 で地積・所有者・権利関係を確認する
  3. 現地で境界標・塀・フェンス・道路との関係を確認する
  4. 隣接地の地積測量図や過去の測量資料を探す
  5. 目的に応じて現況測量または確定測量を検討する
地積測量図がない土地について公図や境界資料を確認するイメージ
図面がない場合は、公図・登記・現地・隣接地資料を順に確認していきます

現況測量と確定測量の違い

種類 内容 向いている場面 費用・期間の目安
現況測量 塀・建物・境界標など、現在見えている状況を測量する。境界そのものを確定するものではない 概算査定、建築検討の初期段階、現況把握 10万〜30万円程度/1〜2週間程度
確定測量 隣接地所有者等と立会い、境界を確認し、境界確認書などを作成する 土地売買、分筆、境界不明、融資条件への対応 30万〜80万円程度/1〜6か月程度

官民境界の確認が必要な場合や、隣接地が多い土地、相続関係が複雑な土地では、費用・期間がさらに増えることがあります。

上記は一般的な目安であり、実際の費用・期間は土地家屋調査士への見積もりで確認します。

確定測量を検討したいケース

  • 地積測量図が存在しない
  • 図面が古く、現地復元性が低い
  • 境界標が一部または全部見つからない
  • 登記地積と現況の面積に違和感がある
  • 隣接地との境界認識が一致していない
  • 越境が疑われる
  • 土地を分筆して売却する予定がある
  • 買主・金融機関から境界確定を求められている
古い測量図と新しい測量資料を比較し確定測量の必要性を検討するイメージ
古い図面や境界不明の土地では、確定測量の必要性を早い段階で検討します

売買ではいつ測量を進めるべきか

売却活動を始めてから境界問題が見つかると、契約・決済スケジュールへ影響する可能性があります。

特に土地売買では、査定時点で地積測量図の有無と作成年代を確認し、境界標の有無、現地との整合性まで確認しておくと、確定測量が必要かどうかを早めに判断できます。

重要事項説明書 の調査でも、境界・越境・接道などは重要な確認項目です。

融資・担保評価ではどう扱うか

担保評価 では、土地面積や形状が評価額へ影響します。

地積測量図がない、または古い場合でも必ず融資できないわけではありませんが、金融機関側で評価の前提条件を厳しくしたり、確定測量や追加資料を求めたりするケースがあります。

既存の 不動産担保融資 と組み合わせて考えると、「担保不動産の面積・境界をどこまで確認できているか」は、融資判断の前提情報の一つになります。

土地活用・建築では現況測量で足りる場合もある

土地活用の初期検討では、まず現況測量で間口・奥行き・高低差・建物位置を把握し、建築プランの可能性を確認するケースがあります。

ただし、実際に建築・分筆・売買へ進む段階では、 都市計画図 や接道条件とあわせて、境界確定が必要になることがあります。

不動産営業での実務フロー

営業・査定時の確認フロー

  • 地番を確認する
  • 地積測量図の有無・作成年代を確認する
  • 公図・登記簿を確認する
  • 現地の境界標を確認する
  • 図面と現況に違いがないかを見る
  • 必要なら土地家屋調査士へ相談する
  • 測量費用・期間を売却スケジュールへ織り込む

不動産チェッカー では、地図上から地番、用途地域、土地面積、登記情報などを確認し、調査対象地の一次スクリーニングを効率化できます。

不動産営業担当者が公図・測量図・登記情報を組み合わせて土地調査を行うイメージ
図面・登記・現地確認を組み合わせ、必要に応じて測量へつなげます

よくある質問

Q. 地積測量図がなくても土地は売れますか?

売却自体は可能ですが、買主や取引条件によっては確定測量が求められる場合があります。境界が不明確な土地では早めに確認するのが安全です。

Q. 現況測量だけで売買できますか?

案件によります。現況測量は現在の状態を測るもので、境界確定を意味しません。境界確定が必要な取引では確定測量が必要です。

Q. 確定測量はどのくらいかかりますか?

一般的には30万〜80万円程度、1〜6か月程度が目安ですが、隣接地の数や官民境界の有無などで大きく変わります。

Q. 古い地積測量図があれば確定測量は不要ですか?

必ずしも不要ではありません。古い図面の現地復元性、境界標の有無、取引条件などを踏まえて判断します。

まとめ

  • 地積測量図がない土地は珍しくない
  • まず公図・登記簿・現地・隣接地資料で補完する
  • 現況測量は現状把握、確定測量は境界確定が目的
  • 売買・分筆・境界不明では確定測量を早めに検討する
  • 融資や担保評価でも面積・境界情報が重要になる
  • 測量費用・期間は取引スケジュールへ織り込む

ご注意ください

本記事は一般的な情報提供を目的としています。境界確定・測量・登記については土地家屋調査士等の専門家へご確認ください。費用・期間は土地条件によって異なります。

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