不動産営業 法改正・コンプライアンス
公開日:2026/08/07 更新日:2026/08/07

不動産の囲い込み規制とは?2025年1月施行の改正内容とレインズ運用を実務目線で解説

両手仲介との違い、2025年改正で義務化されたレインズの取引状況、登録期限、補足欄、登録証明書、違反リスク、社内運用まで、不動産会社が実務で対応すべき内容を整理します。

売主・不動産会社・買主側不動産会社・レインズの関係から囲い込み規制を解説するイメージ
2025年改正では、専任・専属専任物件の取引状況をレインズへ正確に登録することが重要です

結論: 2025年1月1日から、専属専任媒介契約・専任媒介契約でレインズへ登録する物件について、購入申込みの受付状況などを正確に登録することが義務付けられました。実際の状況と異なる登録は、宅地建物取引業法第65条第1項の指示処分の対象となります。

ただし、2025年の改正によって、 両手仲介そのものが禁止されたわけではありません。 問題となるのは、両手仲介を成立させる目的などで、売主の意向に反して他社への物件紹介を故意に妨げたり、レインズへ事実と異なる取引状況を登録したりする「囲い込み」です。

不動産会社には、レインズのステータス選択だけでなく、登録期限、売主への証明書交付、補足欄、申込書や売主指示の保存までを一連の業務として管理することが求められます。

この記事でわかること

  • 不動産の囲い込みとは何か
  • 両手仲介と囲い込みの違い
  • 2025年1月の改正で何が変わったか
  • レインズ登録が必要な媒介契約と登録期限
  • 3つの取引状況と補足欄の使い分け
  • 登録証明書と売主専用画面の運用
  • 囲い込みを防止する社内フローと保存記録
  • 売主が自分の物件の状況を確認する方法

この記事の読み方

知りたいこと 読むべき箇所
2025年に何が変わったか知りたい 第2章「2025年改正の概要」
両手仲介との違いを知りたい 第4章「両手仲介と囲い込みの違い」
レインズのステータスを使い分けたい 第7章「3つの取引状況」
補足欄や変更判断を確認したい 第8章「補足欄と場面別判断」
社内運用を整備したい 第11章「社内運用フロー」

先に結論|不動産会社が最低限対応すべき5項目

対応項目 実務上のポイント
1.期限内のレインズ登録 専属専任は媒介契約締結日の翌日から5日以内、専任は7日以内
2.登録証明書の交付 書面または電子メール等で売主へ交付する
3.売主専用画面の説明 二次元コード、ID・パスワード、確認できる項目を案内する
4.取引状況の正確な更新 「公開中」「書面による購入申込みあり」「売主都合で一時紹介停止中」を実態に合わせる
5.更新根拠の保存 申込書、売主の指示、変更日時、担当者、補足欄の内容を記録する

専属専任媒介契約と専任媒介契約では、レインズへの登録、登録証明書の交付、定期的な業務報告などが求められています。登録期限は契約日当日ではなく、原則としてその翌日から数えます。

不動産の囲い込み規制とは|2025年改正の概要

「囲い込み規制」という名称の独立した法律が新しくできたわけではありません。

一般に「2025年の囲い込み規制」と呼ばれているものは、2024年6月に行われた宅地建物取引業法施行規則の改正と、それに伴うレインズの運用強化を指します。

改正により、2025年1月1日から、専属専任媒介契約・専任媒介契約に基づいてレインズへ登録する物件について、 「取引の申込みの受付に関する状況」も登録事項 となりました。

国土交通省の解釈・運用では、レインズに登録された取引状況が事実と異なる場合、宅地建物取引業法第65条第1項の指示処分の対象になると明示されています。

2025年改正の前後比較

項目 2024年まで 2025年1月以降
ステータス管理機能 2016年から運用 引き続き運用
取引状況の登録 システム上の運用項目 法令上の登録事項として義務化
事実と異なる登録 行政処分との関係が分かりにくい 指示処分の対象であることを明確化
売主による確認 URL、ID、パスワードで確認 登録証明書の二次元コードからアクセス可能
売主への説明 会社ごとの対応 分かりやすく説明することが望ましいと明示

ステータス管理機能自体は、2025年に新設されたものではありません。2016年から存在しており、今回の改正では、取引状況の登録に法令上の裏付けを持たせ、売主が内容を確認しやすくした点が重要です。登録証明書への二次元コードの掲載は、2025年1月4日から始まりました。

売主と売主側宅建業者、買主側宅建業者、レインズの関係と囲い込みを示す図
物件を公開し、他社からの紹介を合理的な理由なく妨げないことが囲い込み防止の基本です

不動産の「囲い込み」とは

国土交通省は囲い込みについて、一部の宅建業者が自社の利益のため、売主と買主の双方を媒介することを目的として、故意に物件の取引状況を隠し、売主の意向に反して物件を紹介しない行為と説明しています。

囲い込みが行われると、他社が抱える購入希望者へ物件情報が届かず、売主にとって次のような不利益が生じる可能性があります。

  • 売却までの期間が長くなる
  • より良い条件の購入申込みを逃す
  • 値下げが必要になる
  • 売主が市場の反応を正確に把握できない
  • 売却機会そのものが減る

国土交通省は、事実に反して「売主都合で一時紹介停止中」と登録し、他の宅建業者への紹介を意図的に拒否する行為を、囲い込みの具体例として挙げています。

囲い込みが疑われる具体例

  • 売主が依頼していないのに「売主都合で一時紹介停止中」と登録する
  • 書面による購入申込みがないのに「書面による購入申込みあり」と登録する
  • レインズ上は「公開中」なのに、他社からの問い合わせを一律に拒否する
  • 「すでに申込みが入っている」と伝えながら、売主には申込みを報告していない
  • 自社の買主が見つかるまで、他社による内覧や資料請求を意図的に遅らせる
  • 売主へ登録証明書を渡さず、取引状況を確認できない状態にする
  • 売主の了解日や紹介停止の理由・期間を記録していない

問い合わせ対応の遅れだけで直ちに囲い込みとは限らない

書面による購入申込みを受けている場合、売主本人の事情で一時的に紹介を停止している場合、システムへの反映待ちである場合など、正当な理由があるケースもあります。重要なのは、実際の状況、レインズ上の表示、売主への報告、社内記録が一致していることです。

両手仲介と囲い込みの違い

囲い込み規制を正しく理解するには、両手仲介と囲い込みを分けて考える必要があります。

項目 片手仲介 両手仲介 囲い込み
売主側の仲介 A社 A社 A社
買主側の仲介 B社 A社 A社での媒介を意図
仲介手数料 各社が依頼者から受領 同一会社が双方から受領 双方からの受領を目的とする場合がある
法的な位置づけ 一般的な取引形態 日本では一律禁止されていない 売主の意向に反する故意の紹介拒否等が問題
主な問題 情報連携 利益相反の可能性 売主の利益侵害、取引機会の制限、虚偽登録

日本では、両手仲介そのものを禁止する規制はありません。売主と買主の双方に中立的に対応し、物件情報を適切に公開した結果として両手仲介になることは、直ちに違法となるものではありません。

一方で、自社で両手仲介を成立させるために、他社の購入希望者を排除したり、事実と異なる情報を登録したりする行為が囲い込みです。

問題となるのは「両手仲介になった結果」ではなく、「両手仲介にするために他社の取引機会を故意に妨げたか」です。

囲い込み規制の対象となる媒介契約

不動産売買の媒介契約には、次の3種類があります。

項目 専属専任媒介 専任媒介 一般媒介
依頼できる会社 1社 1社 複数社
売主自身が買主を探す 原則不可 可能 可能
契約期間 3か月以内 3か月以内 標準約款では3か月以内
レインズ登録 義務 義務 任意
登録期限 契約日の翌日から5日以内 契約日の翌日から7日以内 法律上の期限なし
取引状況の表示 あり あり なし
売主専用画面 利用可能 利用可能 原則対象外
業務報告 1週間に1回以上 2週間に1回以上 売主が求めることは可能

※登録期限の計算では、不動産会社の休業日とレインズの休止日を除きます。

2025年から義務化された取引状況の登録は、専属専任媒介契約・専任媒介契約の物件が中心です。一般媒介契約でもレインズへの登録は可能ですが、専任系の物件と同じ売主専用画面・取引状況表示の仕組みではありません。

レインズ登録期限の正確な数え方

専属専任媒介契約

媒介契約締結日の翌日から 5日以内 に登録します。

専任媒介契約

媒介契約締結日の翌日から 7日以内 に登録します。

いずれも、不動産会社の休業日とレインズの休止日を除いて計算します。

「媒介契約締結日」の考え方

登録期限の起算点となる媒介契約締結日は、売主と不動産会社の間で媒介契約について意思が合致した日です。

媒介契約書を後日交付した場合でも、書類を交付した日から数えるわけではありません。国土交通省の解釈・運用でも、媒介契約締結日は「媒介契約締結の意思の合致があった日」であり、契約書面の交付日ではないとされています。また、契約締結日当日は初日不算入の原則により登録期間へ含めません。

実務上の注意点

  • 契約書の作成日と実際の合意日をずらさない
  • 電子契約の場合も、契約成立日時を記録する
  • 会社の定休日を期限管理表へ反映する
  • レインズの臨時休止日を確認する
  • 登録担当者が不在でも期限を超えない体制を作る
  • 登録完了日時をシステムや案件台帳へ保存する

レインズの3つの取引状況

専属専任媒介契約・専任媒介契約で登録された物件には、次のいずれかの取引状況が表示されます。

取引状況 意味 間違えやすい点
公開中 他の不動産会社から問い合わせを受け付けている状態 申込みがないという意味に限らず、他社紹介が可能な状態を示す
書面による購入申込みあり 書面による購入申込みを受けている状態 電話問い合わせや内覧希望だけでは該当しない
売主都合で一時紹介停止中 売主の事情により一時的に紹介できない状態 不動産会社の営業上の都合では使用できない

この3区分は、宅建業者側の感覚で選ぶものではなく、実際の取引状況を反映するための項目です。

「公開中」

他の不動産会社から物件確認、資料請求、内覧調整などの問い合わせを受け付けている状態です。「公開中」と登録しているにもかかわらず、合理的な理由なく他社からの問い合わせを拒否し続ければ、実態と表示が合っていないと疑われる可能性があります。

「書面による購入申込みあり」

購入申込書など、売買の意思が明確に示された文書による申込みを受けた状態です。

電話で興味があると伝えられた、内覧を希望された、資料請求を受けたといった段階では、「書面による購入申込みあり」とは区別して管理します。

購入申込書等の文書による申込みを受けた場合、売主の希望条件を満たしていない申込みであっても、売主へ遅滞なく報告する必要があります。価格が低い、引渡し条件が合わない、融資条件付きであるといった理由だけで、申込み自体を売主へ報告しないことはできません。

「売主都合で一時紹介停止中」

売主本人の事情により、一時的に物件を紹介できない状態です。

使用できる例 使用できない例
売主の家庭事情で一定期間内覧できない 自社の購入希望者を先に案内したい
相続人間で売却条件を再確認している 他社経由の買主を受け付けたくない
売主が売出価格や引渡し時期を再検討している 両手仲介になるまで待ちたい
修繕や残置物整理のため一時的に案内を止める 担当者が忙しく内覧へ対応できない
売主から明確に紹介停止の指示があった 売主から指示を受けていない

「売主都合」であることが重要なので、売主の指示や了解を確認できる記録を残しておく必要があります。

レインズの公開中、書面による購入申込みあり、売主都合で一時紹介停止中の使い分け
3つの取引状況は、問い合わせの有無ではなく、実際の販売状況と売主の意思に合わせて選択します

「取引状況の補足」と場面別の変更判断

レインズには、3つの取引状況だけでなく、状況の詳細を記載する「取引状況の補足」があります。

取引状況 補足欄へ記載する主な内容
公開中 売却条件、案内可能な日時、条件変更等
書面による購入申込みあり 書面を受領した日、申込みの状況
売主都合で一時紹介停止中 停止の具体的理由、停止期間、売主の意向・了解を得た日

補足欄は、売主が専用画面から確認できる情報であり、不動産会社がどのような根拠でステータスを設定したのかを示す記録になります。

補足欄の記載例

不十分な例: 売主都合のため停止

具体的な例: 売主の転居日程再調整のため、2026年8月10日から8月20日まで紹介停止。2026年8月9日に売主本人より電話で依頼を受け、同日メールで内容を確認。

個人情報や不要な事情を書きすぎない配慮は必要ですが、第三者が見ても設定根拠を確認できる程度の記録を残します。

場面別|取引状況の変更判断

発生したこと 基本的な取引状況 対応
物件を新規登録した 公開中 他社からの問い合わせを受け付ける
資料請求・電話問い合わせを受けた 公開中 問い合わせ記録を保存
内覧希望を受けた 公開中 内覧日時を調整
口頭で購入意向を伝えられた 公開中 文書による申込みの有無を確認
購入申込書を受領した 書面による購入申込みあり 受領日を補足欄へ記載し、売主へ報告
申込条件が売主希望より低い 書面による購入申込みあり 条件にかかわらず売主へ報告
購入申込みが撤回された 公開中 他の申込みがなければ実態に合わせて戻す
売主が一定期間の停止を依頼した 売主都合で一時紹介停止中 理由、期間、了解日を記録
停止期間が終了した 公開中 売主へ再確認のうえ紹介を再開
自社の買主を優先したい 公開中 「売主都合」は使用しない
売買契約が成立した 成約登録等 レインズの規程に従って処理

登録証明書と売主専用画面

専属専任媒介契約・専任媒介契約の物件をレインズへ登録すると、指定流通機構から登録証明書が発行されます。

不動産会社には、売主から請求されていなくても、登録証明書を売主へ交付する義務があります。交付は紙だけでなく、電子メールなどの電磁的方法でも可能です。

登録証明書に記載される主な情報

  • レインズへの登録日
  • 物件番号
  • 物件の所在地
  • 売出価格
  • 媒介契約の種類
  • 取引状況
  • 売主専用画面のURL
  • 売主向けID・パスワード
  • 二次元コード

売主は、登録証明書の二次元コードをスマートフォンで読み取るか、URL・ID・パスワードを使って専用画面へアクセスできます。

売主専用画面で確認できる内容

  • 物件の基本情報
  • 登録されている図面
  • 現在の取引状況
  • 取引状況の補足
  • 登録内容の変更

売主への説明は「義務」なのか

対応 法的な位置づけ
レインズへの期限内登録 義務
登録証明書の売主への交付 義務
取引状況の正確な登録 義務
売主専用画面の使い方を説明 国土交通省が「望ましい」としている運用

登録証明書の交付義務と、確認方法を説明する望ましい運用は、同じ法的位置づけではありません。ただし、実務上は説明を行い、説明日・説明方法を記録しておくほうが、売主との認識違いや苦情を防ぎやすくなります。

画面反映の遅れと、事実と異なる登録のリスク

画面表示の違いが、直ちに虚偽登録とは限らない

実際の取引状況が変わってから、レインズ上の取引状況・補足欄へ反映されるまで、システム等の都合で 2日程度かかる場合があります。

そのため、購入申込書を受け取った直後などは、売主専用画面に新しい状況がまだ反映されていない可能性があります。

反映待ちと更新漏れを区別する記録

  • 事実が発生した日時
  • 営業担当者が社内報告した日時
  • レインズの変更操作を行った日時
  • 変更操作を行った担当者
  • 売主へ報告した日時
  • 売主専用画面へ反映された日時
  • 申込書や売主指示の保存場所

2日程度の反映遅延があり得るという説明は、変更作業を後回しにしてよいという意味ではありません。

事実と異なる登録は指示処分の対象

専属専任媒介契約・専任媒介契約に基づいてレインズへ登録した物件について、購入申込みの受付状況などが事実と異なる場合、宅地建物取引業法第65条第1項の指示処分の対象になります。

  • 売主の依頼がないのに「売主都合で一時紹介停止中」と登録する
  • 購入申込書がないのに「書面による購入申込みあり」と登録する
  • 購入申込書を受領しているのに、長期間「公開中」のままにする
  • 売主から紹介再開の指示を受けた後も、停止状態を継続する
  • 他社への紹介を拒むため、実態と異なるステータスを使用する

すべての表示相違について直ちに一律の行政処分が決まるわけではありません。実際には、事実関係、変更操作の時期、システムへの反映時間、売主の指示、記録の有無などを踏まえて判断されると考えられます。

だからこそ、不動産会社には「正しく運用していた」と説明できる証拠が必要です。

囲い込みを防止する社内運用フロー

1.媒介契約締結時

  • 媒介契約の種類を確認する
  • 実際の契約成立日を記録する
  • レインズ登録期限を自動計算する
  • 売主の連絡先と希望する報告方法を確認する

2.レインズ登録時

  • 契約内容と登録内容を照合する
  • 初期ステータスを確認する
  • 登録完了日時を記録する
  • 登録証明書を案件フォルダへ保存する

3.登録証明書交付時

  • 売主へ紙またはメールで交付する
  • 二次元コードの読み取り方法を説明する
  • ID・パスワードの管理方法を案内する
  • 取引状況と補足欄で確認できる内容を説明する
  • 交付日と説明日を保存する

4.問い合わせ・内覧時

  • 問い合わせ元の会社名・担当者名を記録する
  • 問い合わせ日時を記録する
  • 内覧希望への回答を保存する
  • 紹介を断った場合は、その理由を記録する

5.購入申込み受領時

  • 申込書の受領日時を記録する
  • 売主へ遅滞なく報告する
  • 取引状況を変更する
  • 補足欄へ受領日を記載する
  • 条件が売主希望と異なっていても報告する

6.売主から紹介停止を求められた場合

  • 停止理由を確認する
  • 停止期間を確認する
  • 売主の依頼をメール等で記録する
  • 取引状況と補足欄を変更する
  • 終了予定日にアラートを設定する

7.定期点検

  • 社内案件台帳とレインズの表示を照合する
  • 取引状況が長期間変わっていない案件を抽出する
  • 「売主都合で一時紹介停止中」の終了日を確認する
  • 申込書とステータスが一致しているか確認する
  • 登録証明書の未交付案件を抽出する
  • 売主への定期報告が行われているか確認する
媒介契約締結からレインズ登録、証明書交付、申込み、ステータス変更、成約までの業務フロー
媒介受託から成約までの各工程で、担当者・期限・根拠資料を記録します

保存しておきたい記録

以下のすべてが法令で個別に保存義務を定められているという意味ではありません。ただし、取引状況が事実と一致していたことを説明するため、案件単位で管理しておくことを推奨します。

記録 確認できること
媒介契約書 契約種類・契約成立日
登録完了記録 レインズへ登録した日時
登録証明書 登録内容・売主用ID等
登録証明書の交付履歴 売主へ交付した日・方法
売主への説明履歴 確認画面等を説明した事実
購入申込書 書面申込みの存在・受領日
売主への申込報告 報告日時・方法
売主の紹介停止依頼 停止理由・期間・了解日
ステータス変更履歴 変更前後・変更日時・担当者
他社からの問い合わせ履歴 紹介機会を不当に拒否していないこと
内覧調整記録 内覧希望への対応
成約登録記録 契約成立後の処理

社内チェックリスト

媒介受託時

  • 媒介契約の種類を正しく登録した
  • 契約成立日を記録した
  • レインズ登録期限を設定した
  • 期限計算に休業日・休止日を反映した

レインズ登録・販売活動中

  • 期限内に登録した
  • 登録証明書を売主へ交付した
  • 売主専用画面の確認方法を説明した
  • 他社からの問い合わせを記録している
  • 購入申込書を受けたら売主へ報告している
  • 取引状況の補足欄を更新している
  • 実態とレインズ表示を定期的に照合している

成約時

  • 売買契約成立後のレインズ処理を行った
  • 成約情報を登録した
  • 案件記録を保存した
  • ステータス変更履歴を保管した

売主が囲い込みを確認する方法

売主は、不動産会社から交付された登録証明書を使い、レインズ上の登録内容を確認できます。

  1. 登録証明書を受け取っているか
  2. 登録日が期限を超えていないか
  3. 物件の価格や所在地が正しいか
  4. 現在の取引状況が実態と合っているか
  5. 覚えのない「売主都合で一時紹介停止中」になっていないか
  6. 購入申込みの報告と画面表示が一致しているか
  7. 補足欄に理由・期間・受領日が記録されているか
  8. 定期的な販売活動報告を受けているか

画面の表示が実際の状況と違う場合は、まず媒介契約を締結した不動産会社へ確認します。対応してもらえない場合は、利用している指定流通機構の消費者相談窓口へ相談できます。宅地建物取引業法上の違反が疑われる場合は、免許を所管する都道府県または地方整備局等が相談先になります。

囲い込み規制と不動産営業の効率化は別の業務

囲い込み規制への対応は、媒介契約を受託した後のレインズ登録・販売活動・売主報告を適正に管理する業務です。

一方、媒介契約を受託する前には、売却や土地活用の可能性がある所有者を探し、提案先を選定する必要があります。

  • 売却候補となる土地・建物の抽出
  • 所有者情報の確認
  • 相続・売買等の登記変動の把握
  • 築年数や土地利用状況の確認
  • 営業候補のリスト化
  • 提案理由と優先順位の整理

所有者の探し方は、 地主営業とは? 、候補を営業リストへ整理する方法は、 不動産営業リストの作り方 、所有者・権利関係の基本は、 登記簿謄本とは? で解説しています。

不動産チェッカーでできること

不動産チェッカー では、地図上で物件・所有者情報を確認し、条件に合う営業候補を抽出して、リスト化・共有できます。

  • 地図から物件を確認する
  • 所有者情報を調査する
  • 登記情報をデータ化・管理する
  • 営業候補を抽出する
  • 営業リストをExcelへ出力する
  • チームで調査結果を共有する

不動産チェッカーはレインズを管理するシステムではありません

不動産チェッカーは、レインズへ物件を登録したり、レインズの取引状況を更新・監視したりするシステムではありません。 媒介受託前の営業候補調査は不動産チェッカー、媒介受託後の囲い込み防止はレインズと社内業務管理 というように、目的を分けて利用する必要があります。

よくある質問

Q. 不動産の囲い込み規制とは何ですか?

2025年1月から、専属専任媒介契約・専任媒介契約の物件について、購入申込みの受付状況などをレインズへ正確に登録することが義務付けられました。事実と異なる登録は、宅地建物取引業法第65条第1項の指示処分の対象となります。

Q. 両手仲介は違法ですか?

両手仲介そのものは、日本では一律に禁止されていません。問題となるのは、両手仲介を成立させるために他社への紹介を故意に妨げる囲い込みです。

Q. 一般媒介契約も2025年のステータス管理義務の対象ですか?

一般媒介契約は、法律上のレインズ登録義務がなく、専属専任・専任物件と同じ取引状況表示の対象ではありません。ただし、一般媒介物件でもレインズへの登録自体は可能です。

Q. 電話で購入したいと言われたら「書面による購入申込みあり」にしますか?

電話による問い合わせや口頭の購入意向だけでは、「書面による購入申込みあり」とは区別します。購入申込書など、売買の意思が明確に示された文書による申込みを受けたかを確認します。

Q. 希望価格を下回る購入申込みも売主へ報告する必要がありますか?

必要です。売主の希望条件を満たさない申込みであっても、その都度売主へ報告する必要があります。

Q. 「売主都合で一時紹介停止中」は使ってもよいのですか?

売主本人の事情により一時的に紹介できない場合は使用できます。ただし、停止理由、停止期間、売主の意向・了解を得た日などを補足欄へ記載します。自社の買主を優先したいといった不動産会社側の事情では使用できません。

Q. 売主へ確認画面を説明することは法律上の義務ですか?

登録証明書の交付は義務です。一方、売主専用画面やステータス管理機能について分かりやすく説明することは、国土交通省の解釈・運用で「望ましい」とされています。

Q. ステータス変更後、すぐに売主画面へ反映されますか?

システム等の都合により、実際の状況変更から表示更新まで2日程度かかる場合があります。そのため、申込みを受けた直後などは、新しい状況がまだ反映されていないことがあります。

Q. 売主専用画面の取引状況が間違っていたらどうすればよいですか?

まず媒介契約を締結した不動産会社へ、登録内容と変更状況を確認してください。対応してもらえない場合は、利用している指定流通機構の相談窓口や、宅建業免許を所管する行政機関へ相談できます。

Q. 囲い込みがあった場合、すぐに免許取消しになりますか?

事実と異なる取引状況の登録は、宅地建物取引業法第65条第1項の指示処分の対象とされています。ただし、個別の処分は具体的な事実関係や行政機関の調査に基づいて判断されます。

まとめ

  • 両手仲介そのものが禁止されたわけではない
  • 売主の意向に反して他社への紹介を故意に妨げる行為が囲い込み
  • 専属専任媒介・専任媒介では取引状況の正確な登録が必要
  • 事実と異なる取引状況は指示処分の対象
  • 専属専任は契約日の翌日から5日以内、専任は7日以内に登録する
  • 契約日は契約書の交付日ではなく、意思が合致した日
  • 購入申込みは、売主の希望条件を満たさなくても報告する
  • 売主都合の停止は、理由・期間・了解日を補足欄へ記録する
  • 登録証明書は売主へ必ず交付する
  • 売主専用画面の使い方も説明することが望ましい
  • 画面への反映には2日程度かかる場合がある
  • 申込書、売主の指示、更新日時等を保存する
  • 定期的に社内台帳とレインズの登録内容を照合する

囲い込み規制への対応は、単にレインズのステータスを変更する作業ではありません。媒介契約の締結、期限管理、販売活動、購入申込み、売主への報告、ステータス変更、記録保存を一つの流れとして管理することが重要です。

登録内容を正しく保つことは、行政処分を避けるためだけではありません。売主から安心して売却を任せてもらい、他社とも公正に取引を進めるための基本的な業務品質といえます。

ご注意ください

本記事は2026年8月7日時点の法令、国土交通省の公表資料、指定流通機構の案内をもとにした一般的な情報です。

所属する指定流通機構、媒介契約の内容、個別案件の事情によって必要な対応が異なる場合があります。行政処分、媒介契約上の責任その他の具体的な法的判断については、免許行政庁、所属団体、弁護士等へご確認ください。

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