
30秒でわかる|法人の所有不動産を調べる方法
- 会社名だけで、その法人が全国に所有する土地・建物を公的サービスから自由に一覧検索することはできません。通常の不動産登記は物件を特定して確認します。
- 所在地が分かる場合は、地番・家屋番号を確認して不動産登記の甲区を見ることで、登記上の所有者を調べられます。
- 自社名義の物件を一覧化したい場合は、請求資格を満たせば「所有不動産記録証明制度」を利用できます。
- 拠点を借りているだけの場合もあります。会社が使っている建物と、会社が所有する不動産を区別しましょう。
最初に確認|会社名・物件の場所・自社名義、どこから調べる?
「法人の所有不動産を調べたい」といっても、手元にある情報によって最初の一歩が変わります。まずは次の3つから、いまの状況に近いものを選びましょう。
| 分かっている情報 | 最初の確認先 | 注意点 |
|---|---|---|
| 会社名だけ | 法人番号公表サイト・会社の公式サイト・公表資料で所在地の手がかりを探す | 会社の所在地が分かっても、所有とは限らない |
| 会社が利用している物件の所在地 | 地番・家屋番号を特定し、不動産登記で名義を調べる | 土地と建物は所有者が異なることがある |
| 自社の所有物件を一覧化したい | 所有不動産記録証明制度や自社の登記・固定資産資料 | 請求資格・検索条件・収録状況を確認 |
会社名しか分からない場合|まず物件の所在地の手がかりを探す
会社名を検索しても、一般の第三者が法務局の通常の不動産登記サービスから、その会社名義の物件を全国一括で検索できるわけではありません。そこで、まず会社が使っている可能性のある場所を探し、その場所の所有者を確認するという順序を取ります。
会社の公式サイト・公表資料で拠点を確認する
会社概要の本社・支店、工場、倉庫、店舗などの所在地は調査の手がかりになります。上場企業などでは、有価証券報告書の「主要な設備の状況」や公表資料に所在地が掲載されていることもあります。ただし、そこに載る建物や土地が必ず会社所有とは限りません。
法人番号公表サイトで会社名と本店所在地を照合する
同じような社名が複数ある場合は、国税庁の法人番号公表サイトで「商号・名称」「本店所在地」「法人番号」を確認しておくと、別会社の取り違えを減らせます。法人番号は会社を特定する手がかりであり、不動産の所有を証明する情報ではありません。
公表資料で見つけた所在地は、次の登記確認につなげるための出発点です。
物件の場所が分かったら|地番・登記で所有者を確認する4ステップ
会社が利用している建物の場所を把握できたら、ようやく所有者の確認に進めます。住所と登記の地番・家屋番号は同じとは限らないことに注意しましょう。
STEP1|対象の場所を地図で確認する
会社の本社や倉庫など、調べたい場所を特定します。一つの住所に複数の土地や建物があるケースもあるため、対象を取り違えないことが重要です。
STEP2|土地は地番、建物は家屋番号を確かめる
不動産登記は物件単位です。地図や関連資料を使って地番・家屋番号を確認します。住所から調べ始める場合は、土地の所有者を調べる方法も参考になります。
STEP3|登記の甲区で名義人を照合する
登記情報の権利部(甲区)で登記上の所有者を確認します。土地と建物の両方を別々に見ると、建物は法人名義、土地は別の所有者というケースも区別できます。
STEP4|確認した事実と未確認事項を分けて記録する
物件所在地、地番・家屋番号、登記名義人、取得日を記録します。「本社所在地を確認済み」と「本社ビルの所有を確認済み」は別に管理しましょう。
所有不動産記録証明制度・名寄帳・登記情報は何が違う?
法人所有の不動産を調べる際、混同しやすいのが次の3つの制度・資料です。特に自社の不動産を調べる場合と、取引先など第三者の不動産を調べる場合は分ける必要があります。
| 資料・制度 | 確認できること | 主な制約 |
|---|---|---|
| 不動産登記情報 | 特定した土地・建物の登記名義人や権利関係 | 物件の特定が必要。一般の不動産登記サービスで会社名から全国逆引きはできない |
| 所有不動産記録証明制度 | 登記名義人について検索条件に合う不動産の一覧 | 法人本人や一般承継人等、請求資格が必要。他社について自由に請求できない |
| 名寄帳 | 自治体の固定資産課税台帳をもとにした所有資産等の整理 | 自治体単位・閲覧資格などの制限がある。一般の第三者が自由に閲覧できる名簿ではない |
2026年2月2日に始まった所有不動産記録証明制度は、所有権の登記名義人本人(法人を含む)や、その相続人・一般承継人等が利用できます。ただし、氏名・名称や住所など指定した検索条件によっては、該当する不動産がすべて抽出されるとは限りません。詳しくは法務省の公式案内を確認してください。
「名寄せ」という言葉自体の意味や名寄帳との違いは、不動産の名寄せとは?で詳しく解説しています。
法人の保有不動産を業務で調べるなら、結果の整理まで考える
1物件だけ確認する場合と、複数の法人・拠点を調べる場合では必要な作業が変わります。調査結果を業務に使うなら、「調べた情報」と「調べ切れていない範囲」を分けた一覧にしておくと便利です。
| 管理項目 | 記録する理由 |
|---|---|
| 法人名・法人番号 | 似た会社名や商号変更を取り違えないため |
| 物件所在地・地番/家屋番号 | 土地・建物の対象を特定するため |
| 登記上の名義人 | 拠点利用と所有を区別するため |
| 資料の取得日 | 情報の鮮度を把握するため |
| 確認状態・次の対応 | 未確認事項や追加調査を残すため |
実務上の注意:会社本体ではなく、子会社や関係会社、第三者が名義人になっている場合もあります。会社名・所在地の一致だけで同一法人や所有関係を断定せず、最新資料を確認してください。
不動産チェッカーで、法人の物件調査を効率化するには?
株式会社トーラスの「不動産チェッカー」は、地図から物件を探し、地番・物件情報や登記情報を確認し、取得した情報を整理・共有する業務を支援しています。
例えば、会社の拠点の場所が分かっている場合に、周辺の土地・建物を地図から確認するところから調査を始められます。複数物件を扱う業務では、対象データや利用条件に応じた整理方法をご相談いただけます。
法人名を入力するだけで全国の所有物件が必ずすべて分かる、といった機能や網羅性を保証するものではありません。法人調査で必要な範囲・対象エリア・取り扱うデータは、用途に合わせて個別に確認することが大切です。
まず地図から対象の物件を確認したい方へ
不動産チェッカー無料版では、登録不要で地図・地番などの基本操作を試せます。個別の登記情報取得には別途費用がかかります。
法人単位の大量調査・データ出力など、利用条件の確認が必要な用途は個別相談をご利用ください。
法人の所有不動産に関するよくある質問
Q1. 会社名だけで、その会社が持つ土地を全部調べられますか?
一般の第三者が利用する通常の不動産登記サービスでは、会社名だけで全国の所有不動産を一覧検索することはできません。会社の公表資料などから物件所在地の手がかりを探し、地番・家屋番号を特定して登記を確認します。
Q2. 登記簿謄本は会社名で検索できますか?
商業・法人登記は会社名等で検索できますが、不動産の登記情報は土地の地番や建物の家屋番号などによって物件を特定して請求します。
Q3. 法人でも所有不動産記録証明書を請求できますか?
はい。所有権の登記名義人となっている法人本人や、一定の一般承継人等は請求できます。ただし、取引先の法人について第三者が自由に請求できるものではありません。
Q4. 会社の本社所在地が分かれば、その会社の所有物件ですか?
いいえ。本社や工場は賃借して利用している場合もあります。土地と建物それぞれの登記で名義人を確認する必要があります。
Q5. 上場していない会社の所有不動産も調べられますか?
所在地が分かる物件であれば、不動産登記を取得して登記上の所有者を確認できます。未上場企業では有価証券報告書がないことも多いため、公式サイトや会社案内などが所在地の手がかりになります。
Q6. 不動産チェッカーで法人の不動産調査を相談できますか?
はい。地図からの物件確認、登記情報の調査、データ整理などの活用方法をご案内しています。対象となる法人・地域・データの条件に合わせてご相談ください。
Q7. 無料版でも会社が所有する不動産を調べられますか?
無料版では地図・地番などの基本操作を試せます。法人名からの横断検索や大量のリスト作成を無料で利用できるという意味ではありません。登記情報の個別取得には別途費用がかかります。
まとめ|法人の所有不動産調査は「会社」と「物件」を分けて考える
法人が所有する土地・建物を調べるときは、会社名だけで全国の物件が一覧表示されると考えるのではなく、会社の公表情報から所在地の手がかりを探し、物件の地番・家屋番号を特定して登記上の名義を確認する流れが基本です。
自社名義の不動産を一覧化する場合は所有不動産記録証明制度など、利用できる制度も異なります。複数の拠点・法人を調べる業務では、調査結果を整理し、確認済みと未確認を区別することが重要です。
参考情報・出典
本記事は2026年11月2日時点で確認できる公式情報をもとにした一般的な解説です。個別の登記・請求・利用条件は各窓口の最新の案内をご確認ください。
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